「手をつないでー!」と泣く子供、それに応えられない親の気持ちを考える

一緒に歩いていて子供の小さな手が伸びてきたら、無条件でしっかりにぎってしまう!でも、それがいつもではないことに気付いてしまった(笑)そして同じような親子の光景を見て、親の気持ちについて考えてみました。

「手をつないでー!」と泣き叫ぶ子供

ある日、駅の反対側のホームにベビーカーを押しながら背中に赤ちゃんを背負い、幼稚園の制服を着た小さな女の子を連れたお母さんがいました。

女の子は「手をつないでーっ!」と叫びながら泣いています。お母さんは立ち止まり何かを言い聞かせているようですが、女の子はまだまだ叫びます。

遠目で見ても疲れているお母さん。そして絶叫に近い女の子の声。それでもまだ手をつなごうとはしません。

「とりあえず手をつないであげたら良いのに」

きっと周りの誰もが思ったでしょうね。私も女の子の悲痛な叫び声を聞きながら、同じように考えました。

きっと女の子は幼稚園の帰りで、眠かったのかもしれない、お姉ちゃんとして頑張って歩いていることに疲れていたのかもしれない、ただお母さんに甘えたかったのかもしれない。

まだあんなに小さな身体で一生懸命一緒に歩いて来たのだもん、電車が来るのを待つ間だけでも手をつないであげれば少しは満たされたり元気になれるかもしれないのにな。

そこまで来て、ふと先日のわが家の光景が蘇りました。

まるで同じ光景だった・・・

ある日の帰り道でのこと。

ねえ、手つないでー!もっとギュって握ってよー!全然握ってないーっ!!

まるで駅のお母さんと同じようなことを私も息子に言われていました。

確かこの直前、息子なりに理由があったのだろうけれど、親からしたら理不尽な暴言を吐いていたのです。そのため険悪な雰囲気になっていたのを、息子から打破するために手をつないできたのですね。

それだけでも、大人の私より立派な事なのに、私ときたら

自分で散々暴言吐いてたのに、都合が悪くなると謝りもしないでなかったことのようにしてさー。

なんてひどいことを考えて素直に仲直りをしませんでした。

握られた手をギュッと握りかえせば、それで二人笑顔になるはずが、せっかく6歳の息子がきっかけをくれたのに台無しにしてしまう大人げない大人(苦笑)

ましてや、駅のお母さんと違い、赤ちゃんを背負っているわけでもなく、ベビーカーも押していません。手は空いていました。それでも息子の手を握り返すことに抵抗する自分の不甲斐なさ。

私こそ相当疲れていますよ、確かにげっそりでしたもん(苦笑)でも、そんな親の心情はお構いなしに、きっと周囲の目があれば、

「とりあえず手を握り返してあげたら良いのに」

と思われたでしょうね。まさに私が駅のお母さんに思った気持ちと同じです。

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親だって感情の浮き沈みがあるもの

「親だから」「親ならば」「親でしょう?」

確かに子育てをするからには親の自覚は必要です。責任もあります。そんなのは解っているし、出来るなら笑顔で過ごしたい、子供の成長はあっという間、毎日の成長を温かく見守りながら過ごしたい。

でもですね、親だってやっぱりロボットではないし生身の人間、感情の浮き沈みがあります。疲れていたら全部放り出して逃避したくなることだってあるし、どんなにわが子が大好きでも、時には苛立ちを抑えきれずに子供に感情の矛先が向いて言い争ったり傷つけ傷ついて、そのたびに子供の寝顔を見て夜中に罪悪感から涙を流したり。

そんなことってありませんか??

世の中のお母さん(もちろんお父さんもです!)本当にがんばっていると思います。子供の手を素直に握ってあげられない時だってありますよ!

って、自分擁護になってしまっていますがね(笑)

「だって今手をつなぐ気分じゃないんだもん!」

それで本当につながないっていうのがどうなのかは別として、そう思う自分の心も認めてあげてほしいです。そんな気分じゃないことだってある、私だって自分の気持ち言わせてほしい!

子供にはこんなこと言えない、言っちゃいけない、なんて思うと更に気持ちは複雑になります。ちょっとのことなら、

さっきあんなふうに言われたでしょ?だから今笑顔で手をつなげる気分じゃないんだよね、どうしたらいいかな・・・

素直に子供に言ってみるのも一つの手かもしれません。子供は「ああ、だから手をつなぐことがすんなりできないんだ」という意味合いのことを感じ取ってくれる・・・かもしれません(笑)かえって逆効果となる場合も無きにしも非ずですが。

感情を抑えて手をつなぐか、つながないかのまとめ

結局、子供が「手をつないでー!」と泣いている時に、心のモヤモヤを押し殺して偽りでも手をつなぐか、もしくは親は自分の気持ちを優先してつながないか?どちらを選んでも、大体どこかで気持ちの歯車が外れるんですよね!

どちらも経験して思ったことのまとめとしては、

「手をつながなかった理由を素直に言って子供と向き合い、その後は親としての愛情を持って笑顔でしっかりと手を握る」

これが一番だと思います。モヤモヤを引きずらない、現場にて都度完結させる。中々難しいけれどね。

手をつなぐことで気持ちが伝わる。親の愛情も泣き叫ぶ子供の気持ちも、手をつなぐことでお互いに伝わっていく。そして気持ちがつながっていく。

親はいつまでもその小さな手をつないでいられる訳ではないもの。小さくて純粋なその手が親を求めてくるこの短くて貴重な時間を、みんな大切に過ごしてほしいと願っています。もちろん私も。

 

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