朝の登校、一人で門をくぐれず泣き出す息子の心理

早いもので入学して間もなく1か月。4月も終わりGW10連休に突入です。

はじめの1週間ほどは、新一年生と一緒に親も校門まで登校している姿がちらほらありました。でも翌週からはほとんどの子が一人、または友達や兄弟、上級生と一緒に登校しています。

慎重に歩いてる子、ちょっと小走りだったり、スキップしたりしている子、飛び出しそうな勢いで、旗当番さんに止められている子、みんなそれぞれですが、一様に黄色い帽子とランドセルカバーが朝日にまぶしい!

そんな中、繊細な息子はまだまだ緊張と不安で毎朝涙を流しています。同じようなお子さんを持つ親御さんはきっと心配と不安が尽きないですよね!そこで、参考になるのかは別として新しい環境が大・大・大の苦手な息子の毎朝の様子をまとめておきたいと思います。

入学から3週間経っても涙・涙の登校

朝起きてから自分なりのペースで準備をして、ご飯もしっかりと食べてランドセルを背負い一緒に家を出る息子。この時すでにドキドキではあるものの、特に嫌がることなく学校へ向かいます。

ただし「一人登校はまだ無理!」とのことで私の手を握り校門までたった2-3分の道のりをカチカチの顔で歩いています。途中顔見知りに合うと、完全作り笑いで「オハヨウ」という感じ。

上級生や友達が元気に歩いていく姿を見ながらやる気が出てくるかと思いきや、かえって緊張が大きくなり怖気づいてくる息子。そしてあっという間に到着。

校門から昇降口はすぐそこ。お世話係の6年生も温かく迎えてくれるのですが、もう緊張で前に進めません。途中仲良しの友達が来ると、何度か一緒に連れ立って入っていったものの、その後は一度入っても泣きながら飛び出して来たり、抱きついて離れなかったり。

はじめこそ、こんな感じの子も数名いたようですが、入学から3週間が経ち、周りの友達や上級生、先生の目も「あれ?そんなに泣くかな?」と少々訝し気になってきます(苦笑)

最後は友達が手をつないだり、6年生が教室まで連れて行ってくれますが、それはもう目立ちますね、朝の恒例の光景になっています(笑)

登校後の様子は?

気になる登校後の様子。あれだけ毎朝泣きぬれているのを見れば親として心配ですよね。でも、案外教室に入れば落ち着いてしまうようです。

本人曰く、

門を入ってから教室までがイヤなんだ。

教室に入ると楽しくなってくるの。

とのこと。まあね、それなら良いのですが(笑)

実際に、あれだけ泣いて半ば連行状態で教室に行く息子ですが、日中は友達の先頭切って学校探検をして盛り上がったり、休み時間に校庭の隅から隅まで走り回ったり、人間関係なども相変わらず細かい観察をして楽しんでいるようです。

給食もとりあえず嫌いなものも一口は食べているようだし、給食当番の話し、日直の話し、授業の話し、友達の話し、今日見たこと、明日やること、たくさんの話しをしてくれます。

そしてもちろん学童も大好きで、夕方迎えに行くと大体はハイテンション。

きっと楽しいのは本当なのでしょう。だから朝学校に向かうことは嫌がらないのです。では、毎日流れ落ちるその涙の訳とは??

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何がそんなに涙・涙なのか

実際に「これがイヤ!」というものを、息子がいくつか挙げてきています。

  • 授業の時間が長いのがイヤ
  • 椅子にじっと座らなくてはいけないのがイヤ
  • 給食の嫌いなものがイヤ

まあ、よくある理由ですよね。でも、本人もわかっているようなのですが、実際はもっと感覚的なものが苦手という話しをしていました。それは

  • 朝の登校でみんながぞろぞろ集まってくる状況
  • すでに校門あたりから出来上がっているその日の朝の雰囲気
  • 今日一日の時間配分を細かく知りたいのに急かされている気がする

集約すると大体こんな感じですかね。本人も言っていました。

みんながぞろぞろ集まってくる状況では、自分のペースをうまくつかめない、毎朝すでに確立されつつある空気に自分が入っていくことが苦手、そして「今日は何をやるのか、何時にどうするのか?」見通しを立てて気持ちの整理をしたいのに、上記のような理由から中々気持ちの組み立てが出来ずにいっぱいいっぱいになって感情があふれだす。

と、まあこんな流れでしょうか。

今までずっと息子を見てきた私には、手に取るように気持ちが理解できます。でも、やはり「敏感・繊細な子」いわゆる「HSC」の特質に触れていない周りの子や大人には、この感情は異質に見え始めているのではないかな、と感じます。

一方、保育園でずっと一緒に過ごしてきた友達やママ達は、息子の様子を受け入れてくれて気持ちに理解を示してくれます。私たち親子にとってとても心強い存在となっています、感謝!!

仲間のありがたみを再確認

大人でも子供でも、仲間というものは本当に頼もしく心強い存在ですよね。今回の息子の件に関しても、仲間のパワーを目の当たりにして、親としても感謝の気持ちがいっぱいです。

前述のように、教室までの道のりでどうしても気持ちの整理がつかずに涙を流す息子に、新旧の仲間が声をかけてくれます。中には寄り添い緊張を分かち合おうとしてくれる子、靴箱で靴をそろえて出してくれたり、荷物を持ってくれたり、手を差し出してつないでくれたりする子、笑顔で話しかけてくれる子。

また、日中は元気に遊ぶ息子が泣いていることに戸惑い、「おい、何だ今日も泣いてんのかよー、何で朝は泣くんだよ?泣き虫注意報だな!」とからかいの言葉をかけてきた仲良しの男の子に向かって「泣き虫なんて言わないで!」と、ものすごい険しい顔で言ってくれた子。

みんな、子供なりに気にかけてくれて本当に感謝しています。仲間って素敵だ(笑)

ちなみに当の本人はというと、案外ケロッとしています。

「なんかさ、泣いてる時に○△くんが“泣き虫注意報“って言ってたよね?あれいいねえ。」「今度泣くときは“泣き虫注意報でーす!お気をつけください!“って言おうかな」とか、「その時○○ちゃん何か言ってくれてたよね??」と、まあ冷静な振り返りも毎回ありますよ。

そして日中はその仲間たちと元気いっぱい楽しく過ごして来ているようで、学童にお迎えに行く頃は一日の疲れも多少あるものの、まだまだ絶好調で出てきます。

「敏感・繊細な子」を見守る親御さんたちへ

新しい環境に身を置くたびに、自分の中で状況を把握しようと頭をフルに働かせて、他人からしたらどうでもいいような些細なことに神経をすり減らしたり、見通しを立てられないと不安に駆られてテコでも動かない鉄の意志を持ち、泣こうがわめこうが悪態をつこうが、なりふり構わずに自分の心を守ろうとする。

「環境適応能力が低い」とあっさり言われてしまうとちょっと悲しいですよね(苦笑)他にも「弱虫だね」「怖がりだね」「あら情けない」なんて、悪意はないにしてもマイナス表現をされることも。

でも、大人でも子供でも、理解を示してくれる人は必ずいます。そして、そういった方々は息子に対して

  • きっと感受性が高いんだね
  • 周りをよく見ているよね
  • 素敵な感性だね
  • この感性を大切にしてほしいね

と、プラスの表現をしてくれます。誰かがわが子にかけてくれたこのようなプラスの言葉を忘れないでください。そして親もこのようなプラス思考で見守ってほしいと思います。

こういう私だって、あまりにも頑なに泣き続ける毎日の登校時に、他の一年生が楽しそうに登校していくのを横目で見ると「ああ、あんなふうに笑顔で一人で登校できる日はいつ来るのかな」なんて考えてしまいます。でも、それは今は考えても無駄なことと割り切りましょう(笑)

それから「朝の登校は慣れた?」とよく言いますが、まだまだ慣れるはずはありません。

晴れの日、雨の日、風の日、曇りの日、暑い日、寒い日、過ごしやすい日、静かな日、にぎやかな日、さわやかな匂い、湿った匂い、当たり前ですが、どれをとっても毎日同じ日はないのです。いくつもの朝の空気を感じながら、その中で情報を整理して「前にこんな感じの日があったな、似てるな」という経験を積み重ね、自分の中で納得しながら慣れていくような息子。

私の予想では、3ヶ月くらいすれば慣れ始めるのではないかな?と踏んでいます。それでもまだ短いかもしれないけれど。

とにかく、そのくらい長い目で温かく見守ってあげてほしいと思います。決して頼りないなんて思わないでください。泣いて気持ちを言えるのは強い証拠です。そして自分のペースで心の整理をしながら適応していく力をしっかりと見せてくれます。頼もしい限りですよ。

「敏感・繊細な子」のペースは、他の子と比べない!親が笑顔で気持ちを受け入れるだけで子供はどんどん強くなれる!

これだけは忘れないでくださいね!私は良く忘れるから再度肝に銘じておきます(笑)

連休明けからの登校を現時点で嫌がる様子もないし、学校での楽しみなことも結構話している息子。朝の涙更新がいつまで続くのか、本人も「いつまでかねえ?」なんて他人事のように話していますが、また変化があればまとめてみようと思います。

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