「敏感・繊細な子」の病院受診や予防接種における親の心得

「敏感・繊細な子」は、大方痛みにも敏感です。ということは?当然ながら病院での対応がかなり手強くなりますね(笑)

今回は「敏感・繊細な子」がこんな時どう考えているのか?わが家の体験記と、そこから学んだ心得を紹介します。

敏感・繊細な子は見通しを立てたい

今から何をされるのか知りたい

子供に怪我や病気はつきもの。鼻がつまれば、まだ鼻がかめないからと器械で吸引されたり、熱が出ればインフルエンザだ、溶連菌だ、と検査のため綿棒を鼻や喉に入れられたりしますよね。

「すぐ終わるからね!」「痛くないよ、怖くないからね!」と優しく言われても当然無理!聞く耳なんて持ちません。絶対に怖いんですから(笑)

 

例えば、痛くも怖くもない、耳や鼻の穴を覗くだけの検査だって全力で拒否しますよ。

鬼のような形相の息子に「見るだけだって。痛くないんだから暴れないでサッと終わらせようよ!」と、つい言ってしまいます。

しかしそれは大人は経験で知っている、そして予測が出来るから簡単に言えるのですよね。

  • 今から何を使って何をするのか?
  • 何のために検査をするのか?
  • 時間はどのくらいなのか?

とにかく全てを知らないと不安しかありません。こんな時は少しでも時間をとって説明をしてあげてください。

例えば、

鼻血が出たのがどこからなのか、鼻の中を見ないと判らないんだ、だからこの器具を使って鼻の中を覗くんだって。覗くだけで奥まで入れないから指で触るのと一緒、まあちょっと冷たいけどね!5秒で終わるみたいだよー。

といった感じですかね。不安で興奮しながらもしっかり聞いています。頭の中で必死に見通しを立てているのです。何も説明されなければ

あの銀色の先が細くなった危険な器具が鼻の奥深くに入ってくるかもしれない!もしかしたらあんな形で注射かもしれない。絶対に痛いぞ!断固拒否せねば!!

なんて考えているはずです(苦笑)

ぶっつけ本番に弱い

注射や治療など怖がりそうなことは直前まで隠しておいて、勢いで本番を済ませるのが向いているタイプの子もいますが、息子のように見通しを立てて気持ちを整理するタイプの子は、当然ながらぶっつけ本番が大の苦手です。

個人差もありますが「怖がるだろうから」という優しさで何も情報を与えないのは、かえって恐怖心を引き立ててしまいます。

その恐怖も、通常の何倍も感じ取っているので、とにかくこれは見ていて本当に気の毒としか言いようがない。

一度でもそんなことをしたら次回はもうありません。病院関係ではもう親を信用しませんからね。きっと病院に行くこと自体を完全拒否するでしょう(笑)

事前に情報を与えておくとどうなる?

では、事前に予防接種などの情報を与えるとどういった反応を示すでしょうか?

例えば予防接種の場合、

10~20日の間に予防接種に行くけど、何日がいい?
選んでいいよ!

えー注射やだっ!!

でも…じゃあ15日ならいいよ。

案外あっさりと自分で決めてくれます。そしてそこから見通しを立て始め、カレンダーに予定を書いては「あと何日で注射だ…」とつぶやいたり怖がったりしています。

しかしあまりの恐怖に吐き気をもよおしたりもしているので、一度聞いてみたことがあります。

注射はしなくちゃいけないけど、前もって聞いていると怖いなら、当日まで内緒にしておくほうがいいかな?

すると

絶対いやだ!怖いことは絶対に先に教えてっ!!

と即答しました。そのため、覚悟が必要だろうなと思うことは、怖がるだろうけれど必ず事前に伝えています。

だからと言って、当日怖がらないわけではありませんよ。恐怖の宣告をされた日から、日に日にブルーになり、当日はヘロヘロな状態になっています(苦笑)

予防接種当日はこんな感じ

注射までの様子

保育園帰りに予防接種に行くので、夕方迎えに行くとすでに泣き出します。病院に向かう自転車の後ろで更に泣き続ける、待合室では抱きついて泣いている、名前が呼ばれると絶叫!そしていざ注射になると・・・「超・極悪人」に豹変します。

「おまえら、さわんじゃねえぞーっ!」

「こんな病院ぶっ壊す!!」

「おい!!こっち来んなーっ!!」

とにかく口が悪くなるんですよねー。先生方、毎回本当に申し訳ありません!

普段はこんな口きかないんですよ、どちらかというと、まだまだかわいいしゃべり方してますもん!!

と一応フォローは入れておきます(笑)

しかし本当に病院で追い詰められた時は口悪くなります。

普段の様子を知ってくれている先生ですが、やはり必死ですよ。

「お母さん、両腕しっかり押さえてくださいね!」

「パッと終わらせるからね!」

「そうそう上手だねー!!」

・・・プスッ!

「ハイ!終わりよー!頑張ったねー!!」

そう言って早々に立ち去ります(笑)

とにかく次に待機している子が青ざめるのでは?というくらいの悪態と絶叫ですね。

注射後の様子

注射が終わると、あの勢いはどこへやら。空気の抜けた風船みたいにフニャフニャになってシクシク泣いています(苦笑)

そして家に帰りしばらくすると、注射のことはすっかり忘れて元気いっぱいに遊んでいますが、お風呂の時に注射の後に貼ったシールを目にすると一気にフニャフニャになり

「痛くて力入らない~!」

「絶対に触らないでー!」

「うわーん!」

と泣き出します。シールを剥がそうものなら、泣き叫びながら拒否します。この痛がりよう、怖がりようにも、ちゃんと理由がありました。

それは、

シールを剥がしたら何かがかわってそうで怖いんだよ、針が刺さっているかもしれないし、穴があいてるかもしれない!

この答えに息子の敏感・繊細さが表れていますね。私は小さい頃に注射をしたあと、シールをペリッと剥がして血が止まってるのを見るとスッキリしていたけれど、息子には恐怖なのです。

 

針が刺さっているかも!というのは大げさかもしれないけれど(本人は真剣)、小さな注射跡が肌にあること、シールに血がついていること、更にシールの跡が肌につくこと、全てが怖いのです。違和感を覚えてゾワゾワするらしい。

 

シールを剥がして跡が消えて、ようやく息子の長い注射は終わるんだな、それが解ったらあの怖がりようも理解出来る気がします。

予防接種以外でも

他にも、前述した鼻(または耳)の中を見るだけの検査や、鼻水の吸引、インフルエンザなどの検査をするめん棒、歯医者で口の中の唾液を吸いとる器械、とにかく聴診器や喉をみる時のライト以外は基本大騒ぎします。

見慣れない器具があると

「それは何だーっ!」

「おい!説明しろーっ!!」

「こっち来んなっ!」

と警戒心剥き出し(苦笑)しかし、本人は必死ですよ。知らないものが怖いのです。

「大丈夫、怖くないよー」

「痛くないから安心してねー」

など大人のおだてや気休めなんかではなく、

「それは何なのか?」

「今から何が起きるのか?」

ただ現実を知りたいのですよね。暴言を吐きつつ、怖がりながら涙を浮かべる目を見ると、その気持ちは痛いほど伝わってきます。

スポンサーリンク

病院での親の心得

泣いても怖がってもよし!

息子と同じように、泣き叫んで暴言まで吐く子の親御さんは、きっと周りの視線が気になることがあるのではないでしょうか。

「あらあら、あんな大きな子、しかも男の子なのに」「弱虫ねー」なんて思われているかも知れませんからね。

でも、私は気にしませんよ(笑)泣いたって騒いだって、こんなに頑張ったのです。温かく抱きしめて「大騒ぎだったけど頑張ったね!終わったじゃん、やったね!!」と笑顔を向ければ、泣きながらもちゃんと笑顔を返してくれます。

そして落ち着くと「さっきは先生に悪いこと言っちゃったんだけどさー、本当に怖かったんだー♪」なんて、照れながら教えてくれたりもします(笑)

否定をしない!

「敏感・繊細な子」は周りの小さな子達よりも泣きます。騒ぎます。しかもかなり前後長く引きずります。

でも絶対に「怖がり(泣き虫、弱虫)だね」「あんな小さな子だって泣かないのに」「おおげさだね」男の子の場合は「男の子なのに」も全て禁句です!

どんな子にもプライドがあります。甘やかしではなく、本当に言ってほしくない言葉達です。誰よりも、本人が心身の痛みを感じ取っているのですから。

見通しを立てるために、前もって伝えていれば、どんなに泣こうが逃げ出したくなろうが、頑張る心があります。そして恐怖に勝った心と身体をやさしく抱きしめてあげてください。

 

「怖い」「痛い」「悔しい」時は、男の子でも泣いて良いと思う。「泣くな!」と気持ちを押さえつけるのは、まだまだ早い。

「~しても良い」という環境があるからこそ、将来一歩前に進んで強くなれるのです。それには親の心得が大切です。

  • 周囲の目を気にしない
  • プライドを傷つけない
  • 恐怖心をごまかさない
  • 気持ちを受け止める
  • 笑顔で受け入れる

とにかく否定をしないことが何より大切ですね!強く温かく見守られると、敏感・繊細な子は驚くほどに勇気を示すことがあります。

泣き虫でも大丈夫!決して弱虫ではないんですから。

コメント