小2(7歳)カブトムシの飼育を通じて学ぶこと

以前、保育園でカブトムシを飼っていたので、多少は触ったことがある息子ですが、友達宅から蛹を譲ってくれるという話しをもらった時に、率先して「飼いたい!」と言うとは思っていませんでした。

でも、小学生、男子、昆虫は一度は通る道か(笑)

犬や猫は買えないし、熱帯魚の水槽もずいぶん前に飼育完了して撤去してしまった。生き物と触れ合うには良い機会だし、夏前に蛹のペアをもらって飼育を開始しました。

蛹から成虫になり、元気なオスとメスが土から出てくると「カブキチ、カブコ!」と名付けて毎日のぞいては嬉しそう。

しかし、ある日ケースの掃除でカブコをどけてもらおうとした時、思いっきり指にしがみつかれて相当痛がって泣き出した息子。

痛い痛い!!うわーーーん!ひ、ひどい!!!ゆるさない!!!

と絶叫(苦笑)

確かに痛いもんなぁ。愛情(友情)を持って接したのに、こんなに痛い仕打ち(ではないのだけれど…)を受けて、相当なショックだった様子です。かなり落ち込んでいました。

まあ、痛くてもブンブン振ったりせず、じっと指を動かさなかったのは偉かった!!

それからは、かわいくてじっくり見ることはしても、相当警戒して背中をツン!と触るのが精いっぱい(笑)結果、お世話係はほぼ私。

飼い始めた時に「ペアで飼育してまた卵を産んでもらい来年成虫になるのを見たい!」と話していた息子。たくさん増えたら、通っていた保育園の園長先生が引き取ってくれるようなことも聞いていましたし。

しかし、最近になってもう一度話しをした時に

卵を産んだら結構な数が生れるみたいだよ。でもさすがに全部は飼えないから、ほとんどの子はお友達とか保育園に分けないと飼育できないかな。

と言うと

うーーーーん、おうちに残すのを選んで他はあげちゃうの?ちゃんと育ててくれるかな。飼えなくて捨てたり、放したりしちゃわないかな。

と心配顔。自分の手元を離れた生き物、物(ゴミでさえ)、すべての行先が安泰かどうか心配な息子。当然の悩みどころです。

それに、一度飼育していたカブトムシを野生に放すことは、私の中ではちょっと違和感があるのです。ケースの中で生まれて人間が餌を与えたカブトムシは、ペットとして最後まで大切に飼育をするのが愛情なのではないかなと。

「一生ケースの中では自由に飛び回れないし可哀そう、自然に還すのがカブトムシのためだよ」なんて話しを聞きますが、いやいやそれはどうでしょうか。

生れてからずっと人間の与えたゼリーを毎日苦労せずに食べてきたカブキチ、カブコは、当然自然界では餌も摂れず生きていけないだろうし、大体カブキチ、カブコの先祖はどこで暮らしていたカブトムシなんだろう。

小さな2匹の命でも、本来いるべきでない場所へ放すことは、そこで暮らすにせよ、何かの餌になるにせよ、大なり小なり生態系を乱すことに繋がりかねない。私は昆虫にも生態系にも詳しくないからこそ、解らないことは出来るだけ避けたいのです。

息子にも同じ話しをしてみました。すると

カブキチとカブコ、同じケースで飼ってみたいけど、一緒にしたら卵産んじゃうんでしょ??じゃあ別々にしておく!!だってたくさん産まれて飼えなかったらかわいそうだもん。自然に放したら生きていけない!?そんなの絶対嫌だ。カブキチ、カブコは死ぬまでずっとおうちでお世話するんだ!

一度人間の手で飼育をした生き物は、最後まで面倒を見ることが人間の責任であり最低限のルールである、と、ぼんやりとですが理解してくれたようです。

そして、もしカブキチ、カブコが死んだ時も、どのようにお別れをするか。これも、公園などに埋めたりすることは不法投棄になるので、所有地に埋めるか、一般廃棄物として焼却するか、行政やペットの葬儀社等へ依頼をするか、はたまた標本にしたりする手段もあるようですが。

ペットの飼育をするということは、ここまで考えなくてはならないということ。まだまだ元気なカブキチ、カブコですが、カブトムシの寿命はそう長くはない。再度じっくり息子と話しをして、どの道を選択するのか話し合ってみたいと思います。

ちなみに、実家で昔飼っていた猫達は、行政に連絡をして動物霊園での合同火葬をしてもらったり、直接ペット霊園で葬儀をしました。熱帯魚は丁重に包んで燃えるゴミへ。

命あるものはいつかお別れの時が来る、今年はカブキチ、カブコを通して、その一生に携わり責任を持つこと、どうやって接していくのかを学んでいけたら良いなと思います。

 

ここで、話が大きく逸れますが、昆虫がらみで先日の出来事を一つ。

家庭に現れる厄介なこげ茶の昆虫通称G。わが家ではほとんど見かけなかったのですが、先日ついに1匹現れました。

息子も実物を見て、キャーキャー言って逃げたりのぞいたり。親は必死で戦っていました(苦笑)そしてパパがキッチンでついに仕留めたGの姿を見て、息子は気持ちが一気に急降下。

自分の部屋に戻り、膝を抱えて目がうるうるしています。もしかしたら、と思っていたけれど、やはりGの仕留められた姿を見て悲しくなってショックを受けた模様です。

そして

ううう…パパなんて大嫌い!!(G)かわいそうだよ、殺さなくて良かったのに!!外に逃がしてあげれば良かったのに!!もっと頭使えよ!!!うわーーーーーん!!!!

案の定大泣きに。頭使え!とは…私達、相当な言われようだな(苦笑)

しかし、私もGは大の苦手ですが、出来ることなら自ら仕留めることは極力したくない、色々な意味で。息子には、

かわいそうって思ったんだね?Gだって生きているもんね。優しいね、それは良く解る!私も出来れば網で捕まえて逃がしてあげたいくらいだよ。でもさ、Gを捕まえられなくて部屋で野放しにしていたらどんどん増えちゃうし、良く知らないけれどものすごいバイキン持っているから、衛生上良くないんだ。だからパパはかわいそうだけれど捕まえてくれたんだよ。

それでも30分くらいは泣いて部屋にこもって色々感情を整理していた息子。確かに仕留めた姿がちょっと気の毒だったのでショックも大きかったのでしょう。

だけど、自分も飛んできた蚊をベチン!と叩いたり、アリを追いやって遊んだり、良く解らない小さなコバエを叩き落としたりしていることもある。

カブキチ、カブコは毎日餌をやって大切に飼育をして、微妙に姿が似ている(似てないか?)Gは無残に駆除されて、何が良くて何がひどいことで、何が可哀そうで…という葛藤が見え隠れしています。

そして、ようやく気持ちを落ち着かせて出た答えは

Gも飼ってあげたら餌あげて生きててもいいんじゃない?

!!!!

まさかの提案。

ごめん、それだけはカンベンしてほしい!いやいや、本当やめようね!!!!

と、即断した自分のその言葉の裏で「何がダメで何が良しなのか?」私自身もその区分けが難しいと感じました。

息子はこれっきりGの一件は忘れて(はいないと思いますが)元気に過ごしています。本当に色々な思いがあり、難しいこともたくさんある、日々学びがいっぱいだ。

以上、カブトムシの飼育を通じて学ぶことのお話しでした。

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