敏感・繊細な息子。
今まで行った映画は、好きではなかったけれど初めての映画館体験として行った「トーマス」、大好きな電車づくし「日本の特急大集合!」みたいなやつ、ずっとはまっている「名探偵コナン」。
どれも内容はまるで怖いものではないのですが、どの映画でも期待より不安のほうが大きくて、100%の笑顔で観ることは一分たりともなく、終始緊張して終わるという流れ。
理由は良くわかっています。
- 大画面、大音響
- 暗い中に浮かび上がるスクリーンの明るさ
- 映像に対してひたすら受け身の状態
- 周りを気にして自由に動けない不自由さ
上映中はずっとソワソワ。大好きな電車が通過するシーンなんて、大画面の迫力に圧倒されて、耳を塞いで目を閉じ座席にうずくまる状態。
こんな状態だから、しばらくは映画館には行かなくても良いかな?なんて思っていたのですが。
先日ついに公開が決まった「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。エヴァの世界観に惹かれている息子には、気になって仕方ない本作品。
しかし。トーマスやコナンで頭を抱える息子には、映画館でエヴァンゲリオンなんてとんでもない!ましてや154分の長編です。いつかprimevideoなどに公開される日までお預けだな、と思いつつ、一応「映画館で観たい?」と聞いてみました。
すると息子は
ぜーーーったいに行く!!
即答。予想外に乗り気です。少し前に公開された10分の予告ですっかり見る気満々。それなら気の変わらないうちに…と、公開された週の週末に行って来ました。
注:ここでは、映画の内容については一切触れません、ご安心を(笑)
映画館に到着
笑顔ではあるものの、上映時間が気になって何度も時計を確認。「遅れちゃう!」という心配ではなく「ついに始まっちゃう」という緊張から来ているもよう。
入場・着席
何も映っていないスクリーンの大きさをまず凝視。そして周りをキョロキョロ。自分の席がどんな場所か、出入り口はどこかを考えていたみたい。
上映前の宣伝予告
息子はこれ大の苦手。ただでさえ緊張しているのに、見たくない戦いのシーンが流れたり、延々と続くかのような、畳みかけるような映像の波にすでに萎縮気味。本編開始まで入らなければ良いんだけれど、タイミングが良くわからなくてついはじめから見てしまう(苦笑)
本編スタート
あんなに楽しみにしていた映画が始まってどんな様子かな?とチラチラ見ていると、いつもスマホやタブレットで見ているものとは迫力が違い過ぎて姿勢が不自然。だんだんと顔が険しくなってきてひそひそ声で「あと何分で終わる?」「今何時?」とやたらと聞いてくるように。まだ開始30分弱です(苦笑)普通のシーンでも、たまに口を手で押さえたり、私の後ろに隠れたり挙動不審になってきた。
早々にトイレへ
開始前は、今回のエヴァに関しては長丁場なので、トイレに立たなくて済むように息子自身も「飲み過ぎないようにするんだ!」と言っていたけれど、ほんの3-40分が過ぎた頃に「トイレ行く…」と一緒に離席。暗い劇場内から出たとたんに力が抜けたような息子。相当緊張していたんでしょうね。トイレから出て劇場に戻る際にも「ちょっと待って。あと何分くらいあるの??」とドキドキ顔。何だか気の毒になってきました。でも息子に「続きが見たい!」という強い意思があったので席に戻ります。
その後の様子
もう離席することなく残りの2時間近くを観ていました。しかし何度も目や耳を塞いで私の背中に隠れたり、頭を抱えたり、とにかく忙しい。途中の挿入歌では「歌がイヤなの、どうしても泣いちゃうんだよ」と小さな声で呟き、私の腕にしがみついて涙を流したり、感情の振れ幅も相当大きかった様子。当日は半数ほどの入りで座席周辺にゆとりがあり、周りの方に迷惑をかけることがなかったのは良かったです。
無事に鑑賞終了
最後の最後までしっかりと見終わった帰り道。心身ともに疲労感が漂いながらも、映画館から解放された息子は元気を取り戻す。そして「やっと見たくてもガマンしたネタバレを含むっていう動画も安心して見られる~」と笑顔(笑)この時私は『息子、たぶん半分くらいは見れていなかったかもしれないけど、まあこの先も色々なところで目にして内容もつながって行くでしょ』と思っていました。
ネタバレ厳禁
これから観る人のためにネタバレは厳禁だよ!と散々言い聞かせていたので、エヴァ仲間の学童の先生には「観て来たよ」とだけ話しをして内容は一切話さなかったらしい息子。先日その先生から「ついに自分も観てきました!〇〇くん、ネタバレしないで待っていてくれたんです。そしてついに今日二人でシンエヴァの話しで盛り上がったんですよ。本当にうれしいです!」と報告がありました。えらいぞ、息子(笑)
そして思い出す
私とも家でシンエヴァの話しをするのですが、そのたびに疑問が。「息子よ、何故にそんなにくわしいんだ??」本編の半分近くは目や耳を塞いだり隠れたりしていたじゃない。それなのに、ストーリーに沿った場面の細かい描写や、新しい機体の詳細なディテール、いつ誰が何を持っていたかとか、ずっと観ていた私よりはるかに詳しい。しまいには「ママ、何をみていたの?」と純粋に不思議がられる始末。
本当だ、私は何を観ていたんだろう(苦笑)
そして、優しく詳しく説明してくれる息子を見ながら「そうだ息子は、全身で観て聞いて記憶して、また忠実に記憶から呼び起こせるんだ」と思い出しました。以前息子も「コワイ場面とか、一瞬で覚えちゃうからコワイんだよ」とボヤいていたし。そりゃ心身共に疲れるだろうな。
その点、音量もペースも自由にコントロール出来るスマホやタブレットは安心して観られるツール。まあ、それでも怖がる時はあるけれどね。
とにかく今回の一件で、やっぱり映画館は苦手、ということが改めてわかったというお話しでした。
コメント