小3(9歳)雪の日に見た繊細な一面

先日、東京では久しぶりの積雪。

朝、息子を学童へ送りに行く時に「今日は雪が降るかもね!」と言いつつ、積もることはないだろうと私は自転車。夕方仕事が終わったお迎えの時間にはザクザク積もっていました(苦笑)

息子、以前から雪はあまり好きではなかったのですよね。

保育園の時も、雪の朝に玄関の外を見て「こわくて出られない~」と尻込みしていたし。触ることも恐る恐る。雪合戦なんかで雪が当たるとパニックでした。

そんな様子だったから、今回はどんな反応かな?と見ていると、さすがに9歳。堂々と雪の中へ踏み込んでいきましたね(笑)さらに

今日ね、学童で3時ころほんの少しだけ外で雪遊びさせてくれたんだ。1-2年生は5分だったけど、3年生だけちょっと長くて10分くらい遊べたの。

嬉しそうな様子。女の子たちが雪だるまを作っていたようだけれど、息子は雪と戯れていたみたい。

雪の上を歩きながら息子が「何か今回の雪はキュッキュっていい音が鳴るね!いつもの雪のイメージと違う!」と嬉しそう。

雪苦手な割に鋭いな(笑)

確かに東京でおなじみの「ぼたん雪」みたいに大きな雪が降って、積もりながら溶けていく雪でなく、サラサラとしばらく降り続いてから積もりだして、積もった雪もサラサラのキレイな雪。これを「粉雪」と呼べるのかはわからないけれど、いつもとは様子が違った。

「うん、この雪大好き!」とテンションが上がって来た息子。この後、夜に髪を切りに行く予約を入れたのでそれまで家の前でしばし雪を満喫。

「雪だるま作るんだ!」と張り切りだした息子。今回の雪はどうも雪だるまを作るのには難しい雪質だけど、がんばって丸く固めて40センチくらいの雪だるまが完成。三角帽子もつけたようでご満悦。

よく見るまん丸の雪だるまではなく、マントと帽子をかぶっているもよう。雪が苦手な息子が初めて挑戦した力作だ。

そして夜寝る時になり、布団でポツリとつぶやく息子。

雪だるま、やっぱりこわれちゃうのやだ。

自分が作った愛着の湧いた雪だるまが、明日には崩れて消えてしまうのがさみしい。それならいっそ作らなければ良かったかも…と葛藤しているようです。

崩れかけた雪だるまは、とても哀愁漂う感じで私も心が痛むことがある。だから今の息子の気持ちもよくわかるなあ。

さみしい…雪だるま、消えちゃうんだよね…

キレイな涙があふれだしました。

「どうする?今お部屋に運んできてあげて、お家で溶けるのを見届けてあげるか、このまま外に置いておいて、仲間の雪たちと一緒に溶けて旅立つのを待つか。」

するとしばらく考えたあとに「みんなと一緒に溶けるようにお外に置いておく…」と決めた息子。

翌朝は快晴。息子「まだ雪だるまいるかな????」と急いでのぞくと、明るい日差しの中、まだいました!

ご飯を食べて着替えてから記念撮影に行くと「ああああ!なんかちょっと小さくなってる!!」と言いつつ、写真やら動画を撮りまくる息子(苦笑)

周りの雪はすでに解けて水たまりになりつつある中、残っていてくれた雪だるまに「また次の雪の日に来てね!」と挨拶をして学童へ。

そして夕方迎えに行くと「どうかな?雪だるま、まだいるかな?このへんまだこんなに雪残ってるし、まだいるかな?」と急いで家に向かいます。

確かに道路わきはまだまだ白い雪が残っていて、道路も細い道は凍ってツルツル。私は「半壊以上の雪だるまが残っていたら、かえって心を痛めるんじゃないかな…」と少々不安になりつつ付いていくと

「あああ!ない!!なーーーーーんにもないよ…」と息子。

見るとそこには、半壊どころか、水たまりすらない乾いた地面が(苦笑)あまりにきれいサッパリ跡形もなくなっている潔さに、息子も気持ちが吹っ切れた感じ。

「よし、雪だるまの仲間の雪を少し集めて冷凍庫に保管しておこう!」と小さな袋に入れて日にちを入れて大事にしまいました。そういえば去年の雪も入れてあるんですよね。

息子的には、雪だるまの一件はちょっと切ないけれどうれしい思い出となったみたい。良かった良かった!

やっぱり繊細だな、と思った雪の日の思い出なのですが、実はこれ以上に思い出になったことがまだあるんです(笑)

翌日の朝、まだ白い雪が残る道路をサクサク踏みしめながら学童まで歩いていると「うわあ、これ、こういうのやなの」と指さしたのが、車のタイヤ痕。くっきりと雪に残る規則的に並んだ模様が気持ち悪いらしい。

「気持ちわるい!ヤダヤダ!消えろー!!」と必死に足でこすって消しています。そしてふと脇を見ると「ひー!!!何!?これ、もっといやな柄がある!!!」と指さしたのが、くっきり丸い跡が付く靴の足跡。珍しい感じの足跡です。

「ママじゃない?!そのブーツ!ちょっと見せて、足の裏!」というので、見せると柄が違う。

そしてウロウロ歩き回る息子の後に、新たに付く例の足跡…「さっきより増えてるよと教えると「えっ!!!?」と自分の足裏を見て絶叫!逃げても付いていく足跡に笑うしかない感じ(笑)

こうして、ちょっと切ない思い出じゃなくて、笑える思い出で幕を閉じたのは良かったなって思う。

息子も「雪、楽しかった!雪だるまも作れたしね!」「今ごろお水になってどのあたり旅してるかな?」と笑顔だし。

どんな小さなことも、向き合って乗り越えて、それを繰り返し積み上げていくことは、心の基盤となり心の糧になるんだって改めて感じた雪の日の出来事でした。

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