「HSC」という名前ではなく、概念を広めたい理由

「HSC」は病名ではない、でも周りとの「違い」はある

私が「HSC」を知った当時よりも、最近は「HSC」という概念について目にする機会が増えてきました。もちろん、自分が意識して目にしている部分も大きいかとは思いますが。

「HSC」について多くの記事を目にする機会が増えて、そういった気質のある子供が一定数存在していると認識されていくのはとても有意義なことだと思います。

 

 

しかし「HSC」は病名、診断名ではありません。「HSC」について多くの研究がなされているようですが、医学的に検証されているものではなく、医学上の判断基準もありません。そして医学的根拠がないものであるため、公的機関では言葉を濁されるようなことも多々あります。

 

それでも明らかにこの「HSC」に当てはまる子は、わが子も含めて存在しているのですよね。そして年齢を重ねるほどに本人たちは自分と周りの気質の違いを理解し始めています。

 

例えば、

  • 慎重すぎてスタートが遅れる
  • 人の負の感情が苦手
  • 周りが気になりすぎて集中できない
  • 見知らぬ物事は怖い、刺激に弱い

 

これだけ見ても、周りからすると悪意があるわけではなく「あの子は引っ込み思案だね」「臆病だね」「弱虫だねー!」など言われてしまいます。

 

「HSC」の本質を知らなければ、それは多くの場合に的を得ているように見えます。私だって知らなければそう思いますもん!

 

でも実際は「好奇心が旺盛だからこそ、じっくり状況を見極めてから進みたい」「苦手なことを自分で把握して、時機を見てチャレンジしようと計画している」というように、かなり見当違いな指摘であったりするのです(苦笑)

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「HSC」です、というより「感受性が強い性質」なんです

実際のところ「HSCってご存知ですか?うちの子HSCなんです、だから先生も理解を深めてください」など一方的に配慮を求めたり「うちの子もきっとHSCなんだわ」と決めてかかったり、親が先走りして極端な方向へ流れていくことは好ましくないですよね。

 

だからこそ「HSC」という言葉よりも、その概念である「敏感・繊細な子」「感受性が強い子」が一定数いるんだな、という認識が広まっていけばいいなあと常に思っています。

 

ちょっと話が逸れますが、高いところが苦手な「高所恐怖症」、狭いところが苦手な「閉所恐怖症」、ぶつぶつなど集合体が怖い「トライポフォビア」など色々ありますよね!そしてこれは広く認知されているので、そういった感覚がない人にも理解してもらいやすいのが特徴です。

 

保育園、幼稚園、学校、社会において、もし「HSC」という名前や気質は知らなくても、「ああ、こういった敏感な人いるよね」「感受性の強い人、確かにいるいる!」と、それだけ理解してくれるだけでも大きな進展だと思います。

 

「HSC」とは「物事に敏感で感受性の強い人なんだ」という認識が広がり「うん、そういった人もいるよねー」と理解されて受け入れられていけば、本人たちももっと生きやすいのではないかな?と感じます。

現在6歳の息子に伝えていること

保育園の年長にもなると、周りの子がチャレンジ出来ることを自分は慎重すぎて出来なかったり、周りの子が全く気にしない些細なことが気になって進めなかったり、違いを顕著に感じているようです。

 

私は息子に対して、敏感・繊細な気質であることは「決してマイナスではないんだよ」と言うことはもちろん「すごく良いものなんだよ、自信持って良いんだよ」というスタンスでいつも話しています。

 

病院で誰よりも怖がり泣き叫んでも、すべり台の階段が怖くて後戻りしても、少しきつく何かを言われて心が折れて泣いても、決して弱い訳ではないよ!
でもそれを見て「弱虫だねー、本当に」「もっと強くなりなさい」など、否定的な意見を言われても「ああ、解ってもらえない人もいるんだっけ」と割りきることが大切!
それでも理解してくれる人は必ずいるよ、そして周りにも自分と同じような人が必ずいるよ、ゆっくり周りを見てごらん(笑)

 

「同じような人が周りにもいるかもしれないんだ!」と知ることは心の強みになります。その人の気持ちが理解できるのは、やはり同じ気質の持ち主である自分、大切な感性なんだよ、と常に話しています。

そして、そんな息子に一冊の本をパラパラと見せました、これです。

イラストが豊富でとても解りやすい。そして当然ながら、よく当てはまります(笑)病院で泣き叫ぶシーンを見て「おーっ!これ一緒だねえ」とご満悦。

 

息子から見て「これも同じだ!わかるわかる」「うーん、これはちょっと違うなあ」と色々意見もあるようですが、とにかく楽しく眺めていますよ(笑)

 

自分は自分のままでいいんだ、大切にしていいんだ

 

どんな子も自己肯定感を高めてあげたい。そのサポートをする環境が日常に溢れていればいいな。そして私もその一端を担っていきたい、と思っています。

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