「三歳児神話」ご存知ですか?簡単に言うと「子供が3歳になるまで母親は子育てに専念するべき」という考え方です。
低年齢で保育園へ預けようとしているママにとっては、気にしないでいようと思いつつも、やはり気になるところではないでしょうか?
「三歳児神話」この真偽をいまさらここでどうこう、というつもりは全くありません(笑)考え方は十人十色ですものね。
でも、実は私もこの三歳児神話を投げかけられたことがあり、実際にわが家も低年齢で息子を保育園に預けたので、三歳児神話がどうこうよりも、低年齢で子供を預けることについて一度触れておこうと思います。
保育園1歳クラス入園目前にかけられた言葉
息子が保育園に入園したのは1歳クラス(当時1歳6か月)からです。その入園目前、息子と散歩中に会った近所のおじさんに「いいねえ、お子さんとの散歩は気持ちいいよね!世の中0歳から保育園だ何だと預けてる親がいるけど、やっぱり3歳までは母親の元で育てるのが一番だよなあ。」と言われました。
いやー、実はわが家も来月から保育園入園なんですよー♪
言おうか迷ったけれど、まあそこまで親しい方ではないし、わざわざ反論するのもめんどくさいなあ、というような理由から肯定も否定もせずに通り過ぎてきました。
その頃、私の中では、低年齢で保育園に預けることに罪悪感はなかったのですが、ただただ「丸一日まったり過ごす親子の時間が終わる」という、漠然とした淋しさが正直ありました。
でも、出産前のようにとは言いませんが、やはりそれなりに仕事をしていくつもりでいたので、私の中では「幼稚園」という選択肢はなく「保育園」一本で考えていました。
まあ、この三歳児神話に関して自分自身に投げかけられたのは、後にも先にもこれ一度だけです。それ以外では、あちらこちらでたまに耳にしましたが、もうすでに1歳クラスの園児の親となっている私に話が振られてくることはなかったですね。
三歳児神話の賛否
三歳児神話の柱
三歳児神話の柱となっているのは、およそ以下のような内容です。
- 子供の成長は3歳までが非常に大切
- その大切な時期は、子育ての適性を持つ母親が育児に専念すべき
- その大切な時期に母親が育児に専念しないで子供がさみしい思いをすると、後々の成長に悪影響を及ぼす
こんな内容です。
しかし、これに関してはすでに平成10年の厚生白書で「合理的根拠は認められない」と言われているとのこと。それでも、いまだに春になると話題に上るキーワードなのですよね。
この「合理的根拠は認められない」というのは「3歳になるまで母親が育児に専念しないと、成長に悪影響を及ぼす」ことに対してですが、まったく同様に「成長に悪影響を及ぼさない」と言い切れる根拠もまたないのが現実だと思います。
じゃあ結局どっちなのよ?
となりますよね?それでいいのだと思います(笑)だってこれだけの家庭数があり、親子の形があるのですから。
ただし、この三歳児神話の柱の中の以下の部分はそのまま大切な部分ではないかなと思います。
- 子供の成長は3歳までが非常に大切
- その大切な時期は、子育ての適性を持つ母親が育児に専念すべき
- その大切な時期に母親が育児に専念しないで子供がさみしい思いをすると、後々の成長に悪影響を及ぼす
母親の記載を抜けば、「おっしゃる通り!!」ということを説いていますものね(笑)
母親に向けられる言葉の真意
低年齢で子供を預けて働く母親に対して「母親が」「母親なのに」という言葉で何かを発してくる人の真意はどこにあるのでしょうか?
本当に「三歳児神話」を信じての忠告なのか、はたまた「三歳児神話」という言葉は知らなくても「母親は育児をして家庭を守るものだ」という世代の忠告なのか。
すべてを母親の肩に背負わすのは、今の時代にそぐわないことも大いにありますし、実際にこれだけ保育園の待機児童が問題となり、共働きの家庭がひと昔前とは比べ物にならないほどあふれています。
そんな家庭の子供たちは、母親と共に過ごす時間が極端に少なくなり、さみしい思いをして悪影響を及ぼしているのでしょうか?
低年齢で子供を保育園に預けて働く母親に対して
- あんな赤ちゃんのうちから人の手に預けて働くなんてね
- そこまでの仕事なのかね?
何ていう少々悪意のある言葉もあるでしょう。
- 成長著しいこの時期を一緒に過ごさないなんてもったいない!
- かわいい時代はあっという間なのに!
角度を変えるとこんな意見もあるでしょう。そしてこういった言葉は、発した側に例え悪意がなかったとしても、働く保育園ママの胸にチクリと刺さる時もあるのです、色々な意味でね。
5年間保育園児を見てきた感想
幼稚園育ちの私が、息子を1歳から保育園に入園させて(認証保育園から認可保育園へ3歳で転園)5年間保育園児の親として過ごしてきた正直な感想。
はじめこそ「こんな小さいうちから保育園に入れてしまっていいのかな?」と正直思いました。
でも、数週間もすると1歳でもみんな環境に適応していく素晴らしい力を持っている、そして集団生活の刺激を受けながらも、それぞれの個性を出しながら笑顔が増えていくことを目の当たりにしました。
そして働く親たちも、子供の成長を共に見守り支えてくれる先生方に感謝をしながら、家族のため、子供の将来のために仕事に専念できている。
子供たちが話しをするようになると、送迎時に「いってらっしゃい!」と手を振ってくれて、「おかえりー!」と笑顔で出迎えてくれる。
保育園はどの子の親もみんな仕事をしていることが前提なので、子供たちは「休みは日曜祝日と年末年始」「朝一から夕方夜までが保育園時間」ということが当たり前になっていて、その中で成長してきました。そしてみんな保育園を満喫している。子供同士で素敵な仲間の輪を広げていました。
少なくとも私が当初思い浮かべていた保育園とは、まるで違う世界だったのが印象的です(笑)
子供の成長に大切なこと
私は「三歳児神話」というものに対して、改めて否定も肯定もしません。正しいような気もするし全然正しくないような気もする、そんな灰色状態です(笑)
確実に言えることは、家庭の事情はそれぞれ違うということ。そして子供を大切に思っての親の行動に自信を持ってほしいということ。
3年間は母親の元で愛情をたくさん受けて健やかに育つ環境も素晴らしいと思うし、まだ立つことすら出来ない0-1歳児から保育園に預けて、母親の愛情とはまた別の保育士さんの温かさに触れ、仲間との時間を共有をしながら刺激を受けつつ成長する環境もまた素晴らしいと思うのです。
あってはならないことは、3年間家庭の閉鎖した空間で母親の不安、不満、疲れが子供に向けられてしまうこと、反対に、親の手を離れた保育園の中で、見えない育児放棄、見守りの致命的なミスなど、子供の安全が脅かされることです。
特に低年齢から預ける保育園は本当に質が大切です。待機児童対策で質より量となり当たり外れがあっては困るのですが、実際に保育園の質は様々で劣悪な環境が存在するのも事実ですものね。
今後、働く親にとっては、子供の急病等に理解があり育児休暇も有効に使える職場環境、育児に専念する親にとっては、息抜きで短時間でも気軽に利用できるような一時保育で外部とつながることが出来る環境、それぞれの親の事情に寄り添った社会であってほしいと切に願っています。
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