今日、学校から帰って来た息子、
今ね、カラスが電柱の上でトリさんを食べてたの…
唐突に言いました。そして、
トリさんの羽が上からヒラヒラ落ちてきたから、拾ってあげたの…
え??拾ったのっ??食べられてるトリさんの羽?!
握られていた手を開くと、小さくてフワフワの羽が一枚。そして「まだポケットにも入ってるはず…」と言うので、そのままベランダに直行してもらいました。
ひとつだけ、特に何かを育てているわけではない土だけ入れた小さなプランターがあるんです。息子が拾ってきた種らしきものや、殻みたいなやつをひとまず埋めているもの。
「トリさんの羽もここに埋めてあげたらどう?」と言うと「うん、そうする!」と優しく指で穴をあけて埋めながら、
トリさんの最期を見届けてきたんだ。たぶんスズメだったのかな?カラスめっ!!と思ったけど、カラスだってご飯なんだろうし、人間が好き嫌いでご飯いっぱい残すよりえらいと思うし…
息子なりの考えをつぶやいていました。どんな状況だったのかを聞いて見ると
「下校の時、門を出てすぐの電柱の上にカラスがいて、トリさんを食べていたんだ。もう赤かったから死んじゃってたと思う。そうしたら羽がフワフワ落ちてきたんだよ」
とさみしそうに教えてくれました。
みんなで見上げていたから、少し先の角にいる主事さんが「何があったの?」と聞いてきたので「カラスが鳥を食べている」と伝えたら、主事さんも通行人もビックリしていたとのこと。そりゃそうだろうね。
「カラスは悪くない…トリさんは土にかえれるのかな…」と自分に言い聞かせながら、手洗いうがいを済ませてようやく落ち着いてきた息子。しかしまた唐突に、
そうだ!ママ、ごんぎつねって知ってる?今日国語でやったんだ。
また顔が曇ります。私も小学生の頃読んだ記憶があるなあ。
「イタズラ好きのごんぎつねがウナギを取っちゃって兵十がおっかあに食べさせてあげられなかったの」「おっかあが死んじゃって、ごんぎつねは悪いことしちゃったなってイワシを盗んで兵十の家に置いたけど、兵十が泥棒と思われちゃったんだ」「で、今度はクリを採って家に運んでいたんだけど…」「またイタズラしに来たと思われて兵十に銃で撃たれちゃったんだ…」
息子は物語を説明しながら、最後にほんの少し涙を流していました。しばらく顔を伏せて考え込んだ後「悲しくてちょっとやだ…」とポツリ。
私も改めて教科書を読んでみました。
兵十がごんぎつねを撃った後にクリの山を見つけて、いつもクリをくれたのがごんぎつねだと知ったシーン。「お前だったのか」と問う兵十に、ぐったりと目をつぶったままごんぎつねが頷く、とあるけれど、そうか、「死んだ」とは書いていないんですよね。
私が「このお話しはさ、最後のシーンで撃たれた後どうなったかが書かれていないよね?どうなったと思うかな?」と聞いてみました。
息子は「撃たれて死んじゃったか、撃たれたけれど死なないで、兵十が手当てをして元気になったか…」と考え込んだのち、
…やっぱ死んだとおもう
と悲しそうに答えました。そうかー、そっちか。
でもこれが「物語を読んで情景を浮かべ思いを巡らせる」ということですよね。正解はひとつではない。
「しかも音読の宿題、ごんぎつねなんだよ…」とやり切れない表情の息子。「今日はトリさんとかごんぎつねとか悲しいこと多いなあ」とショボンとしていました。
そして夕方スイミングへ行き、夕飯に大好きなカレーライスを食べた後に英語の宿題を少しやると、めずらしく「今日はここ最近で一番眠い…」と21時前に布団に倒れ込みました。
動画もガンプラも置いといて寝ちゃうなんて相当お疲れな様子。身体はもちろんだけど、心にも疲れが出ているのかもしれないな。「トリさんとごんぎつね」精神的に結構ハードだったのでしょう。
たまにはゆっくり休息をとって、また明日元気になあれ(笑)
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