あごが外れたらどうなる?

昔、母からよく「おじいちゃんが外出中にあごが外れて大変だった」という笑い話を聞いていました。

なんでも、おじいちゃんが外出中に何をしたのかあごが外れてしまい、近くに医者がないかを通りすがりの人に聞きたくても、あごが外れていてうまく喋れない。

必死で「あががはがへはんへふは、ひはははりはへんは?(あごが外れたんですが、医者はありませんか?)」みたいな感じで話しかけたそうです。すると相手の方がどういうわけか同じような口調で「はあ、ひははあほほほはっふふいっへ(ああ、医者ならここをまっすぐ行って)」のように答えたようで。

あごの外れたおじいちゃん、おかしくて仕方なかったらしく帰ってからも大笑いしていたとか。

私もそんな場面を想像して、あごが外れるってどんな顔になるんだろう?漫画のように「ガバーン!」と口が開いたままなのかな?だいたい痛くないの?喋ったり歩いて医者行けるの??

色々謎がありましたが、とりあえず笑い話で終わっていました。

しかし!今から10年くらい前の今頃だったかな。ついに?私もあごが外れたんです(笑)別に大口開けて何かを食べたとか、バカ笑いしたとかではなくて、ただお風呂で髪を洗っていただけなんですよ。しいて言えば、上を向いていた時に眠くてあくびをしそうになり堪えただけです。

まあ、外れた、というよりは、ずれた、といった感じで、一応くちびるは閉じるんです、でも口(の骨)は閉じないので、口を開けたままくちびるをつける感じ?

無理に閉じようとしてもまったく動かず痛いだけ。でも何もしなければ痛みはありません。

ふと、おじいちゃんの姿が頭に浮かんで「ああ、おじいちゃん、こんな感じだったのねー」と、こんな状況でもひとりおかしくなりました(笑)

もうこれは自分ではどうにもならないので、とりあえず泡だらけの髪をシャワーで流してコンディショナーもしっかり。お風呂から出て着替えて、ついでに病院へ行かなくてはならないから身支度も整えてから、ようやく部屋にいた主人に「あご外れちゃって、病院探してくれる?」と言う内容を多少ふがふがしながら(笑)身振り手振り交えて伝えました。

主人は「は?何?あご?」って感じでしたが、しっかり伝わったようで、早速夜間診療をしてくれる病院を必死で探してくれています。

おじいちゃん、あごが外れても言葉は伝わるものなんですね(笑)

何件か電話をしている主人の会話を聞いていると「…はい、あの、あごが外れちゃって。いや私ではなく家族が…」と必死に説明しています。『本人のはずないでしょうが。ちゃんと喋っているんだから』とおかしくてニヤニヤしていましたが、もちろん口元はバスタオルで隠しています。(これ、きたない話でごめんなさい…よだれがたれそうになるんですよ、口開けてると…笑)

ようやく一件診察をしてくれる病院が見つかり、急いでタクシーで向かいます。この時、運転手さんは【夜中に夫婦で病院、それも奥さんは大きなタオルで口元を押さえている】と怪しむと思うんです、きっと殴られたりなんかしたんじゃないかとか、余計な心配をさせるのではないかと気になっちゃって。

仕方ないので、喋れないものの、目はニコニコ。降りる時もニッコリ愛想よくお辞儀して元気いっぱいに降りましたよ。ま、あご外れたって言えば簡単なんですけれどね(苦笑)

そんな感じで夜間受付から入り、シンとした待合室で待っていると、少し遅れて先生がやって来ました。ああ、ようやく治せる!口が閉じられるとワクワクしていると

「お待たせしてすみません、あごが外れたと聞きまして。実は当直の中で歯科や口腔外科、整形外科がおらず、私は普通の外科担当なので、今専門書を読んできたんですよ。たぶんすぐはまると思うんですが…」

とニンマリ笑っている!

大丈夫??

いや、専門は違ってもお医者さまだもん、外科なら骨にも詳しいはずだもんね!

「しかし何してあごが外れちゃったの?何か美味しいものでも食べてたのかな?」なんて言いながら「はい、口開けてー、たぶんここをこうすれば…」とあごをつかんでそーっと下に押しています。

素人の私の勝手なイメージで、外れたものは「ガクン!」とはめるのかと思っていたので、何をそーっと押してるんだろう?と思っていると「はい、閉じてみてー」と先生。

「は?」と思って閉じてみると…あれ、すんなり閉じる?おおお!さすが外科の先生だわ!!笑

「閉じたー!すごい、先生ありがとうございます!普通に喋れるって嬉しいですね!あ、大口開けて外れたんじゃないですよ、シャワーで上向いてただけですから」

急に喋りだす私にビックリして「いや、本当に無事はまって良かったです。でも一度外すと外れやすいと言いますし、お気をつけてー…」といってフェイドアウトしていく先生。

会計は夜間は行われないために後日改めて支払いへ。夜間診療で約7000円。もちろん別途タクシー代もかかるし大きな出費ではありましたが、まあ良い経験でした。

その後、かかりつけの歯科医でこの話をすると「確かにレントゲンで見ると、あごのはまりが元々浅いから外れやすい骨格ではあるよね、もしかしたらまた外れるかも知れないけれど、うちでもはめることは出来るし、緊急なら自分でも一応はめられるかもしれないから、やり方だけは教えておくよ」と、簡単に説明してくれました。

確かにおじいちゃんもその後何度か外しても自分ではめていたようだし。

それからは、何度かふとした拍子にあごがずれてバキッと骨が鳴ったり(これはマズいでしょうね)、外れたかも!と焦ったけれど閉じたり、という場面がありましたがまあ無事に過ごしていました。

しかし、今年になってからまた生あくびを堪えようとした時に前回同様あごがずれたようで、どうにも戻りません。

マズい!家に誰もしないし、もうすぐ出勤なのに!!

仕方ない、歯科医院で聞いた通り自力ではめてみるしかないか。案外冷静なもので、自分で口に手を入れて聞いたことを思い出しながらやってみました。するとものの十数秒でスーッと口が閉じるではないですか!やったー!!

もう、本当は病院へ行って治療しないといけないのかも知れませんが、色々と後回しになっています(苦笑)でも、大口を開けるわけではないのですが、何をすると外れやすいのか自分でもわかっているので、細心の注意をしながら今は生活しています。

あごが外れた時は病院で治療するのが賢明です。素人判断では危険なのでここではどうはめたかは掲載しませんが、どうしても必要な時には探せばいくらでも出てきます。もちろんそんな状況は来てほしくないですけれどね(苦笑)

あごに不安がある方は、どうかお気をつけて。

以上、今回は「あごが外れたらどうなる?」というお話しでした。

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