大学病院小児歯科の治療レポート~根管治療にラバーダムを使用した感想

歯の根管治療などの際に、歯に装着する「ラバーダム」ってご存知でしょうか?私は今までいくつもの歯科医院へ数えきれないほど通院をしましたが、まったくその存在を知りませんでした。どうやら一般の歯科医院では、ほぼ使用していないとのこと。

(保険点数の話しが絡んだり、色々理由はあるようですが、その辺は割愛します(笑))

さて、今回息子が大学病院の小児歯科で根管治療をはじめ、各治療をするにあたり使用した「ラバーダム」とはどういったものなのか、そのメリットや実際に使用した息子の様子を記したいと思います。

本文は、実際の歯科治療で得た情報をもとに記載しています。素人の覚書適度の内容ですので、あくまでも参考程度にとどめておいてください。本文中に治療中の写真が挿入されています。苦手な方はこのまま閉じてくださいね!!

ラバーダムってどんなもの?

虫歯が歯の根っこの管にある神経まで達している場合に、麻酔をして神経を取り除き、きれいに消毒したあと薬を充填してふさぐ、これを「根管治療」と呼びます。

このような根管治療等の際に、その治療対象となる歯を隔離するために使用する約15センチ角の薄いゴムのシートを「ラバーダム(シート)」と呼びます。

治療をする歯にシートをかぶせて、クランプという器具で歯にしっかりと留めて、患部のみが露出するように穴をあけて装着します。そのままだとシートがヒラヒラしてしまうので、金属のフレームを使いシートを固定します。そうすることで、患部以外の口腔内はシートでカバーされます。

 

このラバーダムを使用するメリットは以下の通り。

  • 治療をする歯に唾液など細菌の侵入を防ぐ
  • 口の中の湿気を遮断できる
  • 薬液が口の中に漏れ出すのを最小限に抑えられる
  • 治療の際に舌や頬が邪魔にならない
  • 口の中を器具で傷つけない
  • 口の中への器具の落下を防ぐ
  • 治療中の水が喉に入りにくい

ラバーダムを使用することで、根管治療の成功率を90%まで引き上げられる、と言われているそうです。

デメリットはほとんどないようなのですが、しいて言えば

  • 口呼吸がしにくいので場合によっては少々息苦しく感じる
  • 天然ゴムアレルギーのある患者へは使用不可

ということくらいでしょうか?多分私は形状的に苦手かもしれません…(笑)

実際装着した様子

文章で見てもイメージがつかめませんよね。実際に息子が治療で装着した様子がありますので紹介します。

…ふざけた写真ですね(笑)器具の写真を載せようとすると、どうやっても顔や鼻の穴まで写ってしまうので、こんなのにしてみました。

拡大するとこんな感じ。

対象の歯が隔離されています。そして大きく削った歯に薬がしっかり詰められていますね!

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シートを使用した本人の感想

私としてはビジュアル的に、息苦しいのではないかなあ、なんて心配していましたが、本人は初めこそ少し嫌がっていたものの、慣れればどうってことないようです。

以前、シートを外した後に「形を少しだけ整えたいから1秒だけ削らせてね!」と先生が言っても、「じゃあシートつけてー」と言っていました(笑)結構気に入っています。

スタンプに隠れていますが、鼻は全開で出ています。少し息苦しい時は、治療していない反対側のシートをフレームから外して少しスペースを作ってくれたりしました。それでも鼻が詰まっている時の治療はきっと困難でしょうね。息ができなそう。

シート自体は嫌がらない息子も、歯に留めるクランプの締め付け具合に何度か不満を言っていました。装着中にピッと左手を挙げて、

ちょっと!これじゃ、歯が痛い!もっと手前にしてみて。ううん、もっと手前!…うん、まあそれなら大丈夫。

結構細かい要望を平気で伝えています。

しかし先生も「本当にいつもしっかり治療に前向きになってくれて、そうやって教えてくれて、先生本当にうれしいなあ」と笑顔でその細かな指示に応えてくれていました(笑)

でもこれこそが、超が付くほどの敏感な息子が、麻酔の注射の痛みや恐怖、長期間の治療から一度も逃げ出さずに虫歯の治療と向き合える、先生との信頼関係を築いてくれたものだと思います。先生方、本当にいつもありがとうございます!

ラバーダム使用のまとめ

こんな感じで、一般の歯科医院では中々使用されないラバーダムですが、根管治療には本来欠かせない器具ではあるようです。ラバーダムの使用で、根幹治療の成功率が90%まで引き上げられるってすごいですよね!

私も根管治療を何度かした経験がありますが、歯の中に唾液等が入らないように真剣にやってくれている歯医者さんを思い出しました。でも多分、その後何年もしてからまた同じ歯を同じように治療した記憶もあります。

その時にこのラバーダムが使用されていれば、結果は違っていたのだろうか?とか、色々思いを巡らせた今回の記事でした。

次回は、金属の冠を被せた治療の様子を紹介したいと思います。

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