大学病院小児歯科へ三か月ぶりの定期検診に行ってきました。
予定では歯のチェックとクリーニング、そしてフッ素塗布。息子はフッ素が大嫌い。ものの数秒で終わるとわかっていても、思い出しただけで具合が悪くなり、オエッと来るくらいの嫌がりよう。
今回も一週間くらい前から、思い出しては超ブルーになっていましたね。
ハプニング続きのスタート
当日は、まず下校が15分遅れ、ようやく乗った電車は踏切内に車がはまり安全確認で見合わせ、やっと発車して次の電車に乗り換えると、今度はこっちの路線で非常ボタンが押されたためにしばし見合わせ。
先生には遅れる旨を伝えていたものの、40分も遅れてタイムリミットギリギリ5分前に診察室へ滑り込みセーフ。
大学病院のために、この時期は実習生なのか研修生なのか、新しい先生なのか、たくさんの方々が診察ブースにいました。担当の先生が「○○くん、今日はお兄さんたちにお口の中見る練習させてくれる?痛いことは何もしないから安心してー」と言われて、大人しく協力体制に(笑)
2-3人入れ替わり立ち替わりで口腔チェックをしたあと「ありがとう!口ゆすいでいいよー」と言われると「今日は楽な治療だったね!」と帰る気満々。
いやいや、これから本番ですって。
レントゲンで問題発覚
まずは歯のクリーニング。フッ素がイヤすぎるためにそこへ意識が行っていて、いつもなら絶対に嫌がる歯のクリーニングの歯磨き粉には気付かず(笑)スムーズに終わり、次はレントゲン。
ここで、先生が写真を見ながら「おおー、こう来たかー」と何やらぶつぶつ。そして矯正歯科の担当の先生と話をしてくるね!といなくなった間、診察室で待機。息子は「フッ素イヤだ、イヤだー、絶対マズイ。オエッ…」と半泣き状態。
そして先生が戻ると、以下の3点を挙げました。
- グラグラしている銀歯は下の永久歯との隙間が出来て虫歯になりやすい状態、そして永久歯が生えるのを邪魔しているので歯並びに影響するため出来たら抜歯したい
- 反対側の上奥歯とその手前の歯の見えない隙間にうっすら虫歯の痕跡があるため麻酔をして治療をしたい
- 下のこれから抜けるべき乳歯の下に永久歯が待機しているが、まだ乳歯がしっかり生えているため永久歯が斜めに生えてきて隣の歯の根っこを溶かし始めているので、様子を見て乳歯を抜歯したい
フッ素どころではなくなってきました。息子は
何?!抜歯??麻酔??そんなの聞いてない!!今日はフッ素だけでしょ!!!ぜーーーーったいできないよ!!
超絶叫、断固拒否です。まあ、そりゃそうだ。
急きょ抜歯決定!
先生は「もし治療するならば今日どれかひとつでもできますよ」と提案してくれました。息子は「フッ素フッ素!フッ素もイヤだけど、フッ素しかできない!!」と大騒ぎしていますが、落ち着くまで待ってゆっくり説明をしてみました。
次回でもいいけれど、この治療は全部やることになるんだよ。優先順位的にフッ素は最後でもいい感じ。まずはグラグラしている銀歯を抜くのはどう??
すると、大泣きで拒絶しながらも
抜けばいいんでしょ!!みんな銀歯抜きたいんでしょ!!麻酔したいんでしょ!!!いいよ、抜くよ!!うわああああん!
すごい言いようですが、ほんの少し納得し始めました。定時を過ぎていて、見渡せば広い診察ブースの並んだフロアは患者さんがいなくて先生方ばかり。みんな通りすがりに優しそうな?楽しそうな?顔で見守っています。
ここで先生が「もう一回グラグラ具合をよく見せてくれる?」と言って渋々口を開けると「あ、これもしかしたら麻酔なしでも行けるかも」「○○くん、麻酔して痛みなく抜くか、麻酔なしでちょっとプチっと痛いけどそのまま抜くか、選んでいいよー」と提案。
息子は「麻酔なしで!!」と即答。
なし!?痛いよ、痛い!!私なら麻酔するよ!!
しかし絶対に注射はイヤな息子は麻酔なしで揺るがない。先生も提案したものの「え?プチっで良いの?注射しない??」と再確認。
麻酔はしないって言ったでしょ!あと、プチって痛いのも本当はイヤだからね!!痛くしないでね!!
無茶な要求を出しています。周りの先生方は楽しそうに見守っている笑
「よし!じゃあ先生もがんばる。麻酔なしで行くよ。」と抜歯体制に。
指でグラグラ触って最終確認。そしていざ抜歯のためにペンチを取り出すのを見た息子
ちょーーーーっと待った!!
と遮ります。やっぱり麻酔して抜くって言うのかな?と見ていると、
鏡、鏡!その手鏡ちょうだい!!ちゃんと見なくちゃ!!
みんなびっくり(笑)怖くないのか。
そして自分でライトの位置の調整まですると「おお、○○くん、ライトの位置バッチリ!ありがとう!」なんて言われて抜歯再スタート!
まずペンチで銀歯をつまんで、グラグラさせてから「よいしょーっ!」って感じで一気に横に引き抜いた先生。もう、私も息子も目が点(笑)もう抜いた?本当に抜いたよ!!
ジワジワと恐怖で涙目になりつつある息子の横で「○○くん、キレイに抜けたよー、お持ち帰りする??」と嬉しそうな先生。頼もしいわ。
安堵と痛みで泣き出し、くわえたガーゼが赤く染まるのを見てヒーヒー言っていた息子ですが、思いのほかすぐに血が止まり、うがいをしても水が赤くないのですぐ落ち着いた様子。
次回の予約を取って、笑顔で見送る先生に渋い顔をしつつも手を振っていました。
別れ際、先生に「遅くなったうえにお騒がせしてすみません」と言うと「いえいえ、○○くんはどんなに怖くてもイヤでも、ちゃんとこちらが説明して本人が納得すれば本当に協力的ですし、こちらもやるべき治療がキチンと出来るのでまったく問題ないです!」とほめてくれたのをしっかり聞いていましたね(笑)
抜歯がイヤだった理由のひとつは
帰りの電車で
先生「プチっ」て言ってたのに「ブチブチッ!!!」って音がしたよ。痛かったんだー…
そして「銀歯、あんなペンチで挟まれて引き抜かれちゃって、かわいそうだった…」と本音をポロリ。
息子は麻酔も抜歯も怖いしもちろんイヤだけど、それ以上に、以前乳歯が虫歯になった時、治療して残った乳歯を大切に守ってくれていた銀歯が、自分の意思に反して引き抜かれたことが気の毒で仕方なかったらしい。
息子らしい、優しい感覚だなあ。不覚にもちょっと、ジーンと来てしまった(苦笑)
私が、
大丈夫だよ!下にある永久歯は、銀歯がまだ抜けないから銀歯を傷つけるわけにもいかず行き場に困っていたし、銀歯は、永久歯のために早く抜けて場所をあけてあげたいのに、うまく抜けきれず困っていたと思う。だから、両方がボロボロになる前に抜いてあげて、しかも銀歯をキレイに保管できるから良かったと思うよ!
というと「そうか。そういうこともあるかもね!」とすぐに納得して、抜けた銀歯を眺め「うう、ちょっと色がコワいな」と言いつつも、今までがんばってくれてありがとう!という感謝の気持ちを持って「大切にしまってあげるんだ!」と笑顔でした。
毎回のことですが、本当によくがんばっていると思う。
この後まだ麻酔の治療もあるし、家に帰ってよく見たら、抜いた銀歯の奥の歯の根元に絶対虫歯らしき穴がありました。今日の診察時は歯を抜いてすぐにガーゼをくわえて終了だったので、見えなかったから仕方ない。
こんな調子でまだまだ治療は続くのだけれど、ひとまずは1本目の治療終了です。
息子、本当におつかれさま!
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