2歳頃から、日常の中の何か対して「違和感、恐怖心」を訴えるようになりました。誰もが怖がるような大きな刺激はもちろんですが、「え?これ?」と思うような些細なものに対しても異様な怖がりを示すことが多々あります。
今回は、そんな日常の中で目にする、息子が怖いと訴えるものについてまとめてみたいと思います。
ドングリが怖い
例えば、工作で使うためにテーブルの上にドングリがあるような状況は大丈夫なのです。でも、用途不明で部屋に落ちていたら、きっと近づかないと思います。
以前、ドングリではないですが、公園の真ん中にポツンと松ぼっくりが落ちていました。それを遠目で見つけた息子。
あれ、怖い…やだ!!
その距離十数メートル(笑)それでも何かに追われるように、公園の一番端のほうへ周り目を背けてすり抜けて行きました。
他にも、秋の紅葉真っ盛り、渓谷沿いの遊歩道を歩いていた時のこと。それまではとても楽しそうにはしゃいでいた息子が、ドングリが一つ落ちているのを見つけた途端に腰が抜けたように座り込んで頭を抱えて、
やだー!!!もう歩けない、戻れなし進めない!!抱っこ抱っこー!!
と絶叫していました。周りの観光客は、何事かと足を止めて見ています。私は「ドングリ怖い」というその気持ちは理解できていたのですが、あまりの怖がりように呆気にとられ、ドングリを足で隅によけてから
もうドングリないし、歩けるでしょ?
と言ってしまいまいた。それを聞いた息子は更に絶叫!かなり目立っています。それでこちらも「もう!来なきゃよかったな」なんてイラっとしたり(苦笑)
もうね、怖いものは怖いんですもの。「ドングリ地帯脱出ー!」と素直に抱っこして通り抜ければよかったのです。無駄に息子を傷つけてしまいました、反省。
このドングリ恐怖症の根底には、
- ひしめいている集合体の不気味さ
- あるはずのない場所(木のない場所)にある不自然さ
- 踏んだら割れてしまう危うさ
があることを息子から教えてもらいました。しっかり自分でも分析していたんだな。それでも怖いものは怖いんだから、素直に認めてあげなくてはいけませんね。それに何だか理解できる気もします。
割れたガラスや陶器が怖い
これも解らないでもないですけれどね。でも、私が思うような「触ったら危険だ!」という感覚はそんなにないように思います。だって本人は絶対に近づくつもりはないですからね(笑)
それよりも、
- あるべき形が壊れてしまった
- 壊れたものが持つ一種の退廃的な空気
が怖くてゾワゾワするそうです。
いつも通る道の脇に、壊れた陶器の植木鉢が積んであります。それを見た息子はやはり飛び上がるくらい怖がり、目を伏せて走り去りました。それでも通らなくてはならない時は
もうすぐあの場所だね?今から目をつむるから、手をつないで歩かせて!通り過ぎたら教えてね!!
と真剣に言っています。
同じように壊れた壁やタイルなんかも怖がって近づきません。
先日は、倉庫の壁が少し壊れているのを見つけて、お化けが出たかと思うくらいの勢いで逃げてきました。「廃墟のお化けが出そうな怖さ」っていう感覚もあるとは思いますが、やはり「元の形が崩れた不気味さ」が勝っているように思います。
卵の殻も苦手
よく植木の根元に卵の殻が置いてありますよね?あれをジーっと見たあと、小走りに逃げてきました。これもおそらく
- 割れた形状が怖い
- あるべきではない場所にある違和感
が強いようです。
卵の殻は植木の栄養になるんだよ
と教えてあげると、そこにあること自体は何となく受け入れてくれたようですが、やはりあのひび割れは受け入れられないようですね。見つけると急いで通り過ぎます(笑)クッキングで卵を割ることもあまりしたくないようです。
- 割る、形が崩れる瞬間の感覚がいや
- 中からドロンと出てくるものに触れたくない
という理由があることを教えてくれました。
元の形を失いつつある乗り物が怖い
この写真を見たら、きっと息子は恐怖というか、とてつもない不安に襲われてショックで吐き気をもよおすかもしれません(苦笑)そのくらい、本来の姿ではなくなった乗り物に対して不安、恐怖心を持っています。
古くなって引退した貨車が野ざらしで展示してある駅に行った時も、色あせた車体や窓枠が外れかけた姿を見てジワジワと不安になり目をそらして足早に通り過ぎていきました。
他にも、写真は控えますが、以前地元の電車が天災でほんの少し脱線して傾いた写真をニュースで見たとたん、頭を抱えて絶叫。
私からしたら「ああ、本当だ、少し傾いてるね!」くらいのレベルなのですが、視覚的に不安定な構図(本来の形ではない)が不安を掻き立てるようです。
その他色々なものが怖い
台風が過ぎ去った空
私は好きなのですがねー!この写真ではちょっとわかりにくいですが、息子はこの明暗のコントラストがある空が不気味で嫌なようです。この時4歳の息子、
なんか怖いよ!黒いはずのお空に穴が開いている!
雨で真っ暗だった空の雲の切れ間から、まだ少し青さの残る空が覗いていたのですが、思いっきりカーテンを閉めて怖がっていました。
大好きな乗り物に見た違和感
これは私もなんかゾワゾワしました(笑)この時3歳の息子。図書館で図鑑を開き大好きな新幹線のページをご機嫌に見ていましたが、突然本を置いて飛んで逃げてきました。そして
もうあの図鑑は借りなくていいの・・・
と涙声。私が本に近づくと
それは開けないの!怖い新幹線がいたの!ママも近づかないのーっ!!
と必死に止めてきました。大好きな新幹線に余計なものが付いているだけで理解に苦しんで、一気に怖い対象となったようです。
6歳の今ではこの形を何となく受け入れて、逃げることなく見られるようになっていますが、やはり心の奥では多少ゾワゾワするようで、出来れば見ていたくないもののようです(笑)
カーテンや壁と家具の隙間
ほんの少し閉めそこなったカーテンの隙間を怖がります。
そして壁と家具の隙間も怖がります。この隙間は息子いわく、わが家で一番の鬼門だそうで
あの隙間は怖くて前通りたくないー!妖気がする!!
と、よく言っています。ここを通らなければ何も出来ないので、そう毎回騒いではいませんが、それでも部屋の中が静かだったり、少し暗かったりすると顔を背けて小走りに通り過ぎたり、
ねえ、一緒にこっち来てー
と懇願されますね(苦笑)
カーテンやドア、壁と家具の隙間は、全開か全閉、または様子が見えるくらいしっかり開いていれば問題ないのですが、微妙な隙間、意味をなさないくらいの隙間が不安になるようです。
遊具の隙間、柵の隙間
これは遊具のネットです。この上を歩くまでに何度か通い、相当長いシミュレーションをしたのちにようやくササッと逃げるように渡れるようになりました。
他にも数段のはしごも腰くだけになりますし、景色の良い場所の柵に私が近づいて写真を撮ろうものなら、
ママー!下がって!カメラしまって!かばんのチャック閉めて!
落っこちちゃうからーっ!!
必死に後ろから叫んでいます、親子逆転ですね(苦笑)まあ、この隙間は今までの不安とは少し違うとは思いますが。
まとめ
こうして見ると、息子が怖がるものの姿に理由があることが見えてきた気がします。
- 壊れて形を失っていくことへの淋しさ、不安
- 意味を持たないものへの不信感、不安
- 自分が理解できないものに対する不安
もちろんこれだけではなく、日常の中には息子の不安を掻き立てるものたちが溢れているようです。誰もが感じる恐怖や不安は、当然その何倍もの感覚でおそってくる。
そして、例えば私が気にも留めずに素通りするような些細なことにも過剰に反応して、不安や恐怖で心が波立ち疲労する。これが感受性の強さなのでしょうね。
それは決して「臆病・怖がり」なんて言葉で片付けてしまうものではありません。持って生まれたこの感性をマイナスではなくプラスに活かせるように、まずは親がその気持ちを認めて受け入れてあげることが大切です。
- そうか、これが怖いんだね。
- そう思えるのは感受性が強い証拠だよ。
- 感受性の強さはとても素敵なことだよ!
- もっとたくさんのことを教えてね!
これからも、怖がる息子の気持ちを受け止めて、
これは自分の長所なんだ!これでいいんだ!!
と、自分の感性に自信を持ち、自分を受け入れていけるようにサポート出来たらな、と思っています。
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