毎年のことながら、読書感想文って鬼門です。
「子供はたくさんの本を読もう!」っていうの、ずっとずっと見てきました。小さいうちからたくさんの本の読み聞かせをしよう!とかね。
学校でも「読書月間」とか「読書週間」たるものがあり、子供のうちからたくさんの本を読むことの大切さ、素晴らしさが常に情報としてあふれています。
私も人生の中で本を読むことが好きな時期が何度かありました。色々な物語を読むことは楽しくて、現実では味わえない世界を知ったり、映像のない文字のみの世界から読み取る自分だけの景色や色、空気、匂いなど。ワクワクしますよね!
確かに読書は楽しくて素敵な時間となることはよくわかっているつもり。
でもですね。
読みたくない時に無理やり読むとか、宿題の感想文を書くためだけに仕方なく読むってことはしなくても良いんじゃないかなあって思う。
決して読書を否定しているわけじゃないですよ。
本を読むことが好きな子もいれば、そうではない子もいる。みんながみんな「読書たのしー!!」とはならないもの。
息子に関して言えば、読書感想文は本当に鬼門。昨年もそうでした。
でも、読書が嫌いなわけでもないんですよ。いろんな物語を読んだり聞いたりすることは大好き。今でも寝る前は必ず「本読んで~」とか「自分でも読んでみるか」と言って本を手に取ります。
ただし、それをまとめたり説明するのが面倒でならない、または超苦手ってこと。つまり「国語の作文能力」の部分なんですよね。よーくわかっている。
計算とか正誤がハッキリわかる算数ではなく、あいまいさも時として評価される国語の作文が私は好きでした。「嘘でも過剰でもとりあえず書いちゃえよ」っていう思いもあり(笑)
でも、息子はイヤなんですよね、思ってもいないことを書いたり、そのために頭を使うことが。だからある意味真剣に書こうとするものの、定型と外れることが気持ち悪かったり、自信が持てなくなり、結果文章が浮かばなくなるもよう。
さて、今回の読書感想文は「13800000000ねん きみのたび」という本をセレクト。
138億年前にひとつぶの原子が宇宙を漂い、そこから様々な旅を経て現在の人間の姿になるまでの様子が描かれています。個人的にはこの原子がページごとに進化していく姿がカワイイ。
息子も楽しく読んでいましたが、いざ感想文になるとまた手が止まり顔色が一気に曇る。私が少し手を差し伸べたりアドバイスをするのも好ましくないんですよ。自分の感想ではないから。
終いには「思い浮かばないから、学校で直接書くよ!!」とキレるものの、今書けないものが学校で書けるわけないと、すぐに自分でも思いなおしたようでまたノートに向かってうなっている。
しかし、定型に当てはまらなくても何を書きたいのか、質問形式で聞いていくと、
「原子が海の底にはりついている時に『いいなあ、クラゲは泳げて』ってじっとしながら見ている姿がかわいかった」
と自分の言葉が出てきました。そして、だんだん調子が出てきたようで、
「原子になる前はなんだったんだろう?今の人間の姿からまた変わっていくのかな?」
という思いが浮かび、締めには
「ぼくは9年前の記憶もあまりないけれど、ぼくの体の中のひとつぶの原子はもしかしたら138億年前の記憶があるのかなって思うとわくわくする」
というような言葉を持ってきました。「おお、やるね!いいじゃない!これこそ読書感想文だよー!」とほめると、
そう?そうだよね!ママにそう言ってもらったら超自信がわいてきた!
と最高の笑顔。
自分で考えて作り上げて認めてもらうっていう一連の流れが、子供には最高のパワーを生み出す心の栄養になるんですよね。今回の読書感想文でも改めて実感。
一応「読書感想文すいすいシート」たるものもあるのですが、あえて使わずノートに記入。しかし、下書きとはいえ泣きたくなるほど字は雑でしたが…。
学校で本番の作文用紙に書くときには、もう少し丁寧に、そして自信を持って書いてきてくれたらいいなって思います。
以上、4年生の読書感想文(下書き)のお話しでした。
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