発症して十数年、咳喘息との付き合い方

「咳喘息」ってご存知ですか??

今ではちらほら聞くようになってきましたが、私が初めて発症したのは今から十数年前。当時はまだ周りに情報もなく、病院で耳にすることもありませんでした。

今回はそんな咳喘息との十数年来の付き合いのお話しです。

咳喘息の症状や処方された薬のおおまかな種類を記載していますが、これは私の個人的な記述です。正確な情報収集や、実際に症状のある方は、病院での診断を仰いでくださいね!

風邪のあとに続く咳の症状

今から十数年前、風邪を引いた後に咳の症状だけが残り、5日経っても10日経っても咳が治らないどころか、夜中に咳き込んで眠れない日が続きました。

風邪、咳、とくればまずは「内科」を受診しますよね。地元の内科で診察をして症状を伝えると、「風邪を引いた後の喉の炎症からくる咳」というような診断で、痛み止めや咳止めのような薬を処方されました。

実際の症状は、熱はもちろん、鼻も出ないし、どこも痛くなくて、咳が出ない時は快調そのもの。しかし夜中を中心に咳が出るとしばらくは発作のように続き、ほとんど眠れないのだけれど、良くある喉のイガイガ感や痛みはまるでありません。それが自分でもとても不思議でした。

処方された薬を飲んでも一向に収まる気配はなく、いつもと違う咳に何だか不安が募ります。

情報を集めてたどり着いたのは「咳喘息」

それからネットで同じような症状を探していくと、目についたのが「咳喘息」。当時はまだ世間ではもちろん、病院で聞いてもあまり認知されていませんでした。

しかし特徴を見ると当てはまるものばかり。

  • 風邪のあとに3週間以上咳だけが続く
  • 布団に入った直後が特に出やすい
  • 喉に違和感がありこみ上げてくるような咳
  • エアコンの風や埃、タバコの煙がきっかけになる
  • 咳き込んでも喘鳴はない
  • 胸部X線写真は正常
  • 風邪薬は効かない

まさにこれ全部に該当していました。

しかし、自分なりに時系列で症状をメモして、ついでにこの咳喘息の特徴を内科に伝えてみるも、やはり「咳喘息?喘息ではなくて?あまり聞いたことないな」というような薄い反応というか何というか。

そこで咳喘息に詳しそうな病院、先生を探し求めて、ようやくたどり着いたクリニックで今までの自分のメモや経過を見せて一通り診察したところ「あなた、良くこんなに詳しく調べて、自分の症状も書き出して来てくれたね、これ、まさに咳喘息そのものだよ」と晴れて?診断されました。

そして「まだ内科では咳喘息を知らない先生のほうが多いんだよ、あまり認知されていないからね、よくここにいらしたねえ」と教えてくれました。

本当に、咳の症状は何週間も憂鬱だったのだけれど、やっと、やーーーっと理解してくれる先生に巡り逢えた!と晴れ晴れした気分でした(笑)

あんなにつらかった夜中の咳がすぐに治まる

胸部X線写真、血液検査など、一通りの検査をして、結果はまた次回。その日に処方されたのは、今までの風邪薬とは一転して「ステロイド吸入薬」や「気管支拡張薬」。吸入薬、飲み薬、貼り薬のセットです。

まずは一週間様子を見てまた再診ですが、この薬を服用して3日目にはほぼ症状が消失しました。

あんなに夜中に原因不明で咳き込み、もしかしたらこのまま治らないのかも?なんて不安が頭を横切ったのが嘘のようにぐっすり眠れました。それはもう本当に感動ものでしたよ(笑)

再診の際に先生にまた詳しく経過を伝えると「へえ!3日で治まった?これまたよく効いたねえ、いやあ良かった!」と満面の笑み。

そしておまけに「私も長年咳喘息なんですけどね、あなたみたいにスカッと効かないんだよな、うらやましい。古いカルテなんていじると本当いけないよ(笑)」と教えてくれました。この先生の人柄、とても好きだなあ。

そして、咳喘息は症状が治まってもしばらくは薬をやめずに続けることが大切とのことで、数週間分もらい、また同じような症状が出たらすぐに受診するようにとのことで診察は終わりました。

それから気を付けていること

私の場合、埃やタバコの煙が一番のネックだった気がします。当時の職場は分煙だったものの、外食もまだまだ喫煙環境が多かったし、職場で図面や資料を広げると、モワンとした何とも言えない感覚が度々ありました。

そして、あやしい!と感じた日からすぐにステロイド吸入薬を使用します。これがとても大切なのは身をもって経験しました。

私の場合、ほんの1-2日遅れるだけで雲泥の差です。すぐに吸入を始めると、咳の症状が出ることなく終わりますが、少しでも咳が出始めると1-2週間は続きます。もちろん、以前と違ってその間も薬を服用しているので眠れないほどのひどい状態にはなりませんが。

現在は職場も変わり、世間も喫煙環境が断然減ったのでタバコの煙に悩まされることはありませんが、季節の変わり目、気圧の変化、湿気、埃、カビ、エアコンなどがきっかけで出ることが多いですね。

咳喘息の咳の特徴

咳喘息ってそもそも何なんでしょう。気管支喘息とは違うの?私も診断された時点では、いまいちよくわかりませんでした。

しかし、咳喘息の特徴である、激しく咳き込んでもゼイゼイするような喘鳴はなく呼吸困難にはならない、聴診で雑音はない、というのは、良く理解出来ました。

咳喘息が発症しそうな前兆として、風邪を引いた後か、それでなくても何かのきっかけのあとに、喉にある種の違和感を覚えます。

痛みというよりも、圧迫感だったり、埃がへばりついたようなイヤな感じです。

そして発症すると咳が出始めますが、本当に喉がムワン…として、咳がこみ上げてくるだけなんですよね。激しく咳き込むこともありますが、喉が炎症を起こしているわけではないので痛みは全くありません。咳さえ治まればどこにも症状がない状態。

もちろん、風邪のあとに発症した場合は、喉が痛い時もありますが、それはきっと風邪の症状の残りなんだろうと思います。咳喘息は、風邪を引いた後だけではなく、前述したきっかけがあれば咳だけがやってくるのです。

しかし咳喘息の症状が出ている場合は適切に対処せず放置すると、30%の確率で気管支喘息に移行すると聞きました。気管支喘息の予備軍って感じの位置づけになるのでしょうかね?

それを踏まえた上で、やはり現在でも症状を察知したら早めの吸入開始を心掛けています。

咳喘息のまとめ

最も信頼する先生のクリニックは、現在子供が生まれて職場も地元に変えた私にとっては少し遠いのですが、現在は咳喘息もかなり認知されてきているようで、息子がお世話になっているアレルギー科のある小児科でも、以前のクリニックの処方をお薬手帳で見せて説明すると、同じ薬を処方してくれるので助かっています。

それでもやはり症状が重くなった時や、検査をするときは、当時のクリニックまで足を運びます。それだけ私にとっては救世主的な先生ですので(笑)

繰り返しますが、これは私個人の感想です。同じような咳で悩んでいる方が診察を受ける時の参考になれたらと思い掲載しました。このような症状でお悩みの方は、一度病院で診察を受けてくださいね!

以上、発症して十数年経つ咳喘息との付き合い方のお話しでした。

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