大学病院小児歯科の治療レポート~初日説明と初回の治療

以前からエナメル質形成不全と指摘されていた歯が、何か所か欠けてついに虫歯になり、かかりつけの歯科医院で治療をしようとするものの、不安と恐怖心で毎回威嚇を繰り返していた息子(苦笑)

 

「乳歯で少しの欠けならば」と、だましだましというと聞こえが悪いのですが、治療にならない息子に出来る最小限の処置をしてもらっていました。

 

しかし何度かそれを繰り返した後、ついに先生から「一度大学病院で一から歯のことを学びながら治療をしたほうが、今後の息子さんのためなるのではないかな?」と提案があり、本格的に治療を開始することになりました。

初日はレントゲンを撮り、今後の治療計画とこちらからの要望を伝える

紹介状を持って大学病院の小児歯科へ初めて足を踏み入れてみると、まあとにかく子供がたくさん(笑)初日は歯全体のレントゲンを撮って、虫歯の数や進行度をチェック。これにより目に見えない歯の隙間のわずかな虫歯の発見や根っこの様子まで細かくチェックされて計8か所治療が必要だと説明を受けました。

 

そんなにあるのか、虫歯!!

 

この年齢になると結構よくあることですよ、と慰められても気が重すぎて親の私がすでにゲッソリ。それに基本はすべて麻酔が必要と言われて、初めての麻酔の不安もあり、何重ものショックで足取りが重かった(笑)

 

ともあれ治療を受けるにあたり、こちらからの要望欄にたくさん書きこみました。

 

  • とにかくまず、怖がります、嫌がります
  • 今から何をするのかひとつひとつ説明してあげてほしいです
  • 怖くて緊張して追いつめられるととにかく口が悪くなるけれど悪気はないんです
  • すべてが怖いので誰よりも泣いたり騒いだりします
  • でも、痛いこと、今からすることを隠さないでください
  • 自分が納得すれば大体のことはがんばれる…はずです

 

これ以上書く場所ないなってくらい埋めましたね(笑)でも先生はしっかり読んでくれて、こちらの話しをじっくり聞きながら色々な質問と約束をしてくれました。

 

  • 怖いと思ったら何でもいつでも聞いてきていいよ
  • 何かをするときは必ず初めに説明するからよく聞いていてね!
  • 先生たちが全力で虫歯をやっつけるには、○○くんの協力も絶対に必要なんだ
  • 痛いことを最小限にするために麻酔の注射もするけれど、これは頑張ってほしい

 

ざっとこんな感じでしょうか。それでも息子はひとつひとつ渋い顔をしながらもうなずいて約束をしてくれました。そして次回は、治療の「練習」のために予約を取りました。治療までが長いんだなー。

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練習のはずがいきなり麻酔と根管治療に

まずは治療のために「ラバーダム」というシートを口の中につける練習をする予定でした。私は小学生から幾度となく歯医者に通っていますが、初めてこんな存在を知りましたよ(苦笑)

 

15センチほどの大きさの薄いゴムシートで、歯の部分だけ穴をあけて被せて治療をします。根管治療の際に、唾液が入り込むのを防ぐ、口の中に水がたまるのを防ぐ、その他諸々利点がたくさんあるようで大学病院などでは基本中の基本とのことですが、先生いわく「町の歯医者さんで使用しているところはあまりないですね」とのこと。

とにかくそのシートをつける練習から始める予定でしたが、通院前日に以前地元の歯科医院で治療をした歯の脇の歯茎がぷっくり腫れてしまい大きな膿が…!というわけで、急きょ練習なしで根管治療となりました。

初めての麻酔治療開始までにかけた時間

かなり膿をもってパンパンなので息子も早くどうにかしたいとは思っていたようです。しかし口の中に注射なんてとんでもないこと。相当恐怖と緊張で追いつめられていました。

 

診察台に乗っても、泣くわ騒ぐわ暴言吐くわ…あっという間に20分は経過しましたね(苦笑)でも先生もさすが大学病院の小児歯科、慣れているのでしょうかね、根気がありますね。息子は診察台の一番下のほうに下がって身構えて、

まだ触んないで!!ねえ!今から何するの???一個ずつちゃんと教えて!!注射は何秒?それは何するもの??何時何分に終わるのー??まだ触るな!!全然落ち着かない!!!!!うわーーーーん!!

とまあこんな感じです。この日は練習だけの予定だったので、広いフロアをパーテーションだけで仕切った半個室がいくつも並ぶ一角だったので、まあその暴言がフロア中に響いてましたね(苦笑)

 

何とかラバーダムは装着したものの、麻酔の前の段階でまた完全拒否。先生が「気分転換に他のところ見てごらん?みんな怖くなさそうな感じで横になってるでしょ?」と教えてくれて、診察台の上に立ち膝をしてチラリと見る息子。確かにみんな静かに横になって口を開けてキュイーーーーンと削られたりしていました。

 

しかし当然息子は「それがどうした!怖いのには変わらないじゃんかよ!」って感じでお構いなしでしたね。でも時間は有限です。

 

とりあえず麻酔の前の表面麻酔で黄色い軟膏のようなものを塗って、ギャオギャオ騒いでいるうちに注射をされました。でも騒いでいる様子から、針が刺さった時点で別段騒ぎ方に違いが出なかったので本人も良く解っていなかったかな??

 

とにかく注射までに30分でした。

麻酔から根管治療、薬を詰めて膿を切開

麻酔さえ終われば痛みはないはずなので一段落、というのは甘いですね。知らぬ間に注射までされたことに憤慨してまた治療拒否です。

 

せっかく痛い思いして注射したのに治療が出来なかったら…麻酔の効果がなくなってきちゃったら…と私も少し心配になってきた頃、息子が動き出しました。

ねえ、麻酔したから削るんでしょ?どのくらい削るの?時間だよ?3秒ずつ?じゃあいいよ!!絶対に約束守ってよ!

と治療に前向きになってくれました。騒ぎながらも自分で一生懸命考えていたのでしょうね。先生も息子の言葉をしっかり受け止めてくれて、時間と説明の約束をしてついに治療スタートです!

 

それからは診察台に横になり、たまにヒーヒー言うものの、逃げたり叫んだりすることなく、削ってから根管治療の器具(カラフルなあれです)を6種類か7種類使って中を掃除してもらっていました。

 

そして薬を詰めて仮蓋をしたあと、この日の治療の最後は、溜まった膿を外側から切開して出すこと。一瞬抵抗して騒いだものの、あっという間に終了。

 

終わってみれば、約30分口を開けたまま大人しく治療を受けていた息子。先生も、前半の拒絶から一転、後半の息子の頑張りを手放しでほめてくれました。

初めての治療を終えた感想

ようやくラバーダムを外した息子、時計を見ながら

怖くて騒いでいたのと同じ時間で治療終わったね!騒がなければとっくに帰っていたんだね!

と冷静な感想。おっしゃる通りですな。

 

しかし初めての本格的な治療を無事に終われたことで、私は安堵感と同時に、誰よりも騒ごうが怖がろうが泣こうが、やっぱり弱虫ではない!最終的に自ら治療に向かった息子の頑張りが本当に誇らしかったです。

ま、治療はこれがスタートですからね。このあとも麻酔の注射が数回あります。更に大きく削った乳歯を保護するために銀歯をかぶせることになった様子も今後掲載して行きたいと思います。

 

まずは、大学病院の先生たちの優しさと根気のある対応に感謝!そしてたくさんの初めての治療を自分なりに考えながら受け入れてくれる息子の頑張りに感謝の一日でした。

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