スクールカウンセラーの先生と話しをしてきました

学校の中に「相談室」があり、週一回スクールカウンセラーの先生が来ます。入学当初から、機会があれば一度会って挨拶をしてみたいな、と思っていました。PTA活動で比較的学校内へ行く用事がある割に、一度もお会いする機会がないまま半年間が過ぎた頃、初めて相談室から出てくる先生にお会いしました。

聞いてみたかったこと

「相談」というほどのものではないことを始めにお断りした上で「急いではいませんが、お時間のある時にひとつ質問してみたいことがあるのですが…」と話しをしました。おそらく職員室へ向かうつもりだった様子の先生ですが「お時間があればぜひ今からでもどうぞお入りください!」とにこやかに相談室へ迎え入れてくれました。

目までちゃんと笑顔になる(笑)とても穏やかそうな先生だなというのが第一印象。自己紹介をした後に、早速本題に入ります。

今までカウンセリングをしてきた中で、敏感な気質の子だなと感じるような子(HSCという言葉や概念の有無も含めて)がいましたか?

私はこれを入学当初から聞いてみたかったのです。

こういった気質の子は一定数いるのかな?学校やカウンセラーの先生はどんな捉え方をしているのかな?聞いてどうしたいわけではなく、純粋にこういった子が5人に1人はいると言われるほどに存在しているのかな?ということを知りたいだけ、ほとんど興味本位なのですがね。

すると先生は「HSP(HSC)と呼ばれる人のことですね、確かにそのような敏感だったり、繊細な気質の方はいらっしゃいます」と笑顔で教えてくれました。

「いらっしゃいます」とすんなり肯定されたので、息子の様子もスムーズに話が進みました。

 

先生はひとつひとつ頷きながら話しを聞いてくれて、時にはひらめいた感想を述べたり、質問を交えたりと終始楽しく話が進みます。これってコーチングにある基本のすべてを満たしているなあ、なんて、話している私が横道に逸れたりしていましたが(笑)

やはり話しを聴くことのプロなのでしょうね!

先生の体験談

先生は、小学校から高校までの様々な年代を対象としたカウンセラーをしてきたそうです。その中のいくつかの話しを聞かせてくれました。先生もおそらくおおよそのディテールだけを話してくれていると思いますが、私もここでは若干言い回しを変えて紹介します。

校庭でみんなと遊べない子

今まで校庭で元気に遊んでいた子が、ある時から休み時間に外に出なくなり保健室の隅でジッと動かずに過ごすようになった。特に友達関係でのトラブルもなく、授業も今まで通り受けている。先生が色々と話しを聞いていくうちに理由が判明した。その子は「校庭には沢山の虫たちが一生懸命生きていることに気付いた。そこでみんなが走り回ると、必ず踏まれて死んでしまう虫が出てくる、だから僕だけでも外に出ないようにここにいるんだ」と教えてくれた。

毎朝泣きながら登校してくる学生

ある高校の相談室に来た女の子のお話し。「先生、私はこの高校に入りたくてしっかり勉強して希望通り入学できました。自分で選んで来て、友達もできて毎日楽しく過ごしているのですが、毎朝学校に来るまでは、なぜか涙が溢れるのです。これがやだ!というような決定的な理由はわからないけれど、どうしても気持ちが揺れ動いて涙が出てくる。私はどこかおかしいのでしょうか?」

息子の話しを踏まえた上で、先生は「この子たちも同じ敏感で繊細な気質の持ち主だと思います」と話してくれました。そしてこうした気質の持ち主は一定数いるけれど、敏感さが際立つ分野は様々で、多種多様。そのため、何か違うな、と思ってもそのままにされるケースも多くあるようです。

本人がそれを自分の中で理解した上で物事に向かい合っていくと、自分の中で良い意味での妥協案を考えられたり、代替え案が浮かんだりと、気持ちにのりしろがつくため、ステップアップしていける、ということを教えてくれました。

これから見守っていくためのポイント

先生いわく、今現在の息子の様子を話で聞く限りでは、

慎重で初めの一歩がとても重要になるけれど、何かがどうしてもイヤだ!という拒否反応だけでなく、イヤだけど興味は持っていたり、イヤだけど自分の中でここまではやってみよう、というチャレンジする気持ちがあるようです。今の時期は、ダメならやめてもいいや、くらいの無理のないペースで経験を積み上げていくことを目標にすると良いかも知れませんね!

とのこと。その経験こそが「自分はこれが苦手だけれど、ここまでなら出来る!」「前にもこれは出来た経験がある、だから大丈夫、自分はやれば出来るんだ!」という自信になり、基礎を固めてもう一歩先のステージに安心して進めるようになるということのようです。

今はまだ小学校1年生、新しい環境にようやく慣れてきたとはいえ、これから6年生までは長い道のりがあります。この小学校生活の中で、自分の気持ちの折り合いのつけ方や良い妥協の仕方、がんばるための気持ちの持って行き方などを身につけて行き、色々な転換期となる中学校生活に向けての布石となるようにして行きたいと思います。

いつでも相談室へ遊びに来てください!

今回偶然に廊下でお会いできたので、ここまでの話しをゆっくりすることが出来てとても良い機会となりました。

先生より「今回こんな相談があった」ということを担任の先生と共有して良いかどうかの質問があり、こちらとしては特に伏せておく理由もないので承諾しました。

普段から授業の様子を見てまわっているようで、今後は息子のクラスへ行った時は様子を見ながら積極的に話しかけてみたり色々アクションを起こしてみようかな、とニッコリ笑顔の先生。

「はじめは無口で返事すらしないかもしれませんが、自分の中で「この人はもう大丈夫!」というラインを越えれば、かなりふざけて話しかけてくるかもしれません」と伝えると、いつかそのラインを超える日を楽しみにしてくれたようです(笑)

そして「お子さんだけでも、お母さんだけでも、もちろんお二人ご一緒でも良いので、相談でも雑談でも構いません、部屋をのぞきに来るだけだって良いですし、本当にいつでも気楽に遊びに来てくださいね!」とおっしゃっていました。

勉強以外で楽しめる空間が学校にあるということは、きっと息子も興味を持ちそうだし、親としてもとても心強く頼もしいです。

余談

そんな話しをして帰ったその日の夜。息子に「相談室の場所とか、その先生って知ってる?」と聞くと、

もちろん知ってるよ。校舎の一番奥の端っこにある部屋でしょ?その先生、今日授業見に来たよ。

早いな(笑)でもまだ会話はしていないようです。せっかくなので、一度は一緒に遊びに行ってみようかなと思っています。

今はまだ、学校生活で思い悩むようなことはなく、何かいやなこと、苦しいこと、悔しいこと、理不尽なこと、つまんないことがあれば、親の前で泣いたり怒ったり、結構話しをしてくれていますが、学年が上がるにつれて親にも話さなくなることも増えるんだろうなと。

そんな時に、話しを聞いてくれる大人がどこかにちゃんといるんだということを心に刻んでおいてほしいなと思います。

私自身も、息子のことはもちろんですが、他の子も気楽に話しかけてくれたり、何かの時に「あの人なら話聞いてくれるかな」とチラッと思いついてくれるように、日頃からあいさつや雑談などのコミュニケーションを取りつつ、子供たちを見守っていきたいと思います。

以上、スクールカウンセラーの先生とお話しをしたことのまとめでした。

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